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    殿

    819sone

    MOURNING扶揺の正体のネタバレあり/本当にモブ小神官の話/BL要素なし、ほっこり系好きな人は好き?自己満

    《あらすじ》
    玄真将軍みたいなかっこいい人になりたいと子供の頃から慕情を憧れたモブ男。そんな時に玄真殿の採用枠募集がありあわてて応募しなんと採用される。しかし思っていた以上にモブ男はうまく仕事をこなせなくて──。
    玄真殿に入った新米モブ小神官君の話 じゃり、と地面にある小石が音を立てた。黒を基調とした厳かに佇む門。その先に神秘的で緊張感の漂った大殿がある。 

     僕は今日から玄真殿で見習いとして働くことになった中天庭の新米小神官、モブ男。幼いの頃から玄真将軍は僕のあこがれだった。うちは貧乏だったからおこづかいも少なくて、周りの友達とは馴染めず、距離があり、疎外感を感じることも多かった。でも、心を強く持つことができたのは同じ境遇でも強くたくましく逆境に立ち向かい天界の上位神官の座まで昇りつめたあのお方がいたからだ。

     父親は不慮の事故で亡くなり、女手一つで育ててくれた母親も父の事故死をきっかけに身体が弱くなってしまった。家には床にこもってる母とまだ小さい弟がいて、十五歳の僕がお金を稼がなければならなかった。生活が苦しく他の同い年の子達が楽しく学校に通う中、僕は働かなければならなかった。あの頃、僕が曲がらずに育ったのも、玄真将軍がいたからだ。小さい頃からずっと憧れだった玄真殿が今、目の前にある。
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    明幸(日月)

    DONE(横)秀の字(&藤吉郎)と2人の少年の話。暗影篇終了〜旭光篇開始の間らへん(前作『殿からの褒美と近江の城』の続き)から始まるけど前作との繋がりはほとんど無し。夢路篇の台詞やバトルをはじめ色々と改変しているので注意。秀の字の性別は決まっていないけど身長は藤吉郎より頭1つ分以上高いイメージ。書きたい場面だけ書いたので話の内容が全体的にツギハギ気味かもしれない。※過去作再掲
    二本の青き槍 天正元年(一五七三年)。
     陽光をうつし輝く水面みなもをふたりは半刻ほど見つめていた。
    「…さて、茶屋でも寄って帰るか」
     やがてひとりは腰を上げ、いそいそと歩き出す。隣に座っていたもうひとりも立ち上がりそれに続く。

     琵琶湖。
     近江国の中心に存在する湖の名である。その規模は小国ひとつ分に匹敵し、内陸地に突如あらわれた海かと見まごうほどであった。
     ここから東に位置する今浜の町を長浜と改め、湖畔への築城を企てる新たな領主がふたり。
    「水門を作って、船で直接城に出入りできたら面白いと思わねえか?」
     軽い足取りで熱弁をふるうは藤吉郎。それを横目にもの言わず首を振るは秀千代。
     〝秀吉〟と称された、織田信長配下の武将たちである。
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