羅小黒戦記
桜道明寺
DONE羅小黒戦記ワンライまとめ・1お題【无限】【花】
「ふううううっ」
猫の姿になって、ぶるるるっと身体を振ると、辺りにものすごい量の水が飛び散った。
「すごい嵐だったね」
まだ身体のあちこちに細かい水滴をくっつけたまま言うと、目の前では師父が能力を使って身体に染み付いた水分を分離している。
「いつも思うんだけど、それ便利だね。僕もやりたい」
「修行をすれば、いずれはできるようになる」
「結局はそこかー」
白い地面に大の字になってふてくされていると、そんなところで寝るんじゃない、と注意が降ってくる。
「大丈夫だよ、風邪なんて引かないし」
「そういうことを言っているんじゃない。とりあえず家に入りなさい」
そう言い残して、自分はひょいひょいと階段を上がっていく。僕は不承不承身を起こして、その後をついていった。
4443「ふううううっ」
猫の姿になって、ぶるるるっと身体を振ると、辺りにものすごい量の水が飛び散った。
「すごい嵐だったね」
まだ身体のあちこちに細かい水滴をくっつけたまま言うと、目の前では師父が能力を使って身体に染み付いた水分を分離している。
「いつも思うんだけど、それ便利だね。僕もやりたい」
「修行をすれば、いずれはできるようになる」
「結局はそこかー」
白い地面に大の字になってふてくされていると、そんなところで寝るんじゃない、と注意が降ってくる。
「大丈夫だよ、風邪なんて引かないし」
「そういうことを言っているんじゃない。とりあえず家に入りなさい」
そう言い残して、自分はひょいひょいと階段を上がっていく。僕は不承不承身を起こして、その後をついていった。
GinkoLxh
DONE◆逸君の差し入れ◆しかやまさんのツイートhttps://twitter.com/akan_tribam/status/1493403970551042050
の三次創作です。
許可いただいたので公開しますね。
こしあんさんのリプにも触発されて、最初はこの後を想像させるネームを
描いたのですが、結局ほのぼのになってしましました(o^―^o)ニコ 4
桜道明寺
DONETwitterまとめ・1残香【君閣の窓辺で老君がささやかに花見をする話】
ふわと入り込んだ外気に、甘い香りを感じた。老君は振り向くと、かれの忠実な下僕が手に下げた一枝の桃花を見やって、わずかに眼を細めた。
「おや、どうしたんだい」
かれの下僕——諦聴は眉ひとつ動かさぬまま、つと手を伸ばして、老君にその枝を手渡す。花の香りが柔らかく鼻先を包んで、擽ったいような気分になる。
「折ってきたのかい? 悪い子だ」
笑い含みに問うてはみたものの、そうでないことは切り口を見れば明らかだった。すぱりと斜めに走った鋭利な切り口は、最初から飾ることを目的に切り離されたものだと見当がつく。花も五分咲きで、まだ散るような頃合いではない。それでもあえてそう言ったのは、かれの下僕が花を贈るにはあまりにも憮然とし過ぎていたからだ。人に花を贈るのに、その表情はないだろう。ついからかいたくなるのはかれの悪い癖だが、諦聴は、そんな主の視線からふいと目を逸らすと、
6238ふわと入り込んだ外気に、甘い香りを感じた。老君は振り向くと、かれの忠実な下僕が手に下げた一枝の桃花を見やって、わずかに眼を細めた。
「おや、どうしたんだい」
かれの下僕——諦聴は眉ひとつ動かさぬまま、つと手を伸ばして、老君にその枝を手渡す。花の香りが柔らかく鼻先を包んで、擽ったいような気分になる。
「折ってきたのかい? 悪い子だ」
笑い含みに問うてはみたものの、そうでないことは切り口を見れば明らかだった。すぱりと斜めに走った鋭利な切り口は、最初から飾ることを目的に切り離されたものだと見当がつく。花も五分咲きで、まだ散るような頃合いではない。それでもあえてそう言ったのは、かれの下僕が花を贈るにはあまりにも憮然とし過ぎていたからだ。人に花を贈るのに、その表情はないだろう。ついからかいたくなるのはかれの悪い癖だが、諦聴は、そんな主の視線からふいと目を逸らすと、
shakunage1
PAST※羅小黒戦記吹き替え版1周年記念(8月に出した本に収録した新規絵です。)
去年の今頃、初めて映画を見に行って誰もないトイレで号泣したのがついこの間のようです…
出会えて本当に良かった。ありがとう羅小黒戦記。そして誰よりも风息。あなたに。