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    ジェイフロ

    k_Salala

    TRAININGジェイ←フロに見せかけたジェイ→←フロが番になるまでとそれに嫌々巻き込まれるアズールのよくある話です。まだ起承転結の『起』の段階までなので左右がはっきりしてませんが、今後ジェイフロになります。
    R4.12末現在までの原作ゲームの本編・イベント・各キャラPSは一通り履修していますが、忘れている部分があるかもしれません。色々捏造を含みます。あんまりにもな誤りはこっそりご一報ください。
    束縛の咬魚は誘惑と番いたい【1】*****


    「ねぇオレさ〜、ジェイドのこと好きなんだけど」

    故郷の海を離れ、晴れて名門ナイトレイブンカレッジに入学することが叶い、入念な下準備の甲斐あって貪欲な幼馴染みが寮長の指名を受けて、次いで学園長から飲食店の営業権を千切り取るため大手を掛けようかという頃。海の底のオクヴィネル寮の、学園内でちょっとした有名人である双子の人魚の私室にて。ベッドに片肘を突いて腹這いになり、見るともなしに雑誌をパラパラと捲っていたフロイドの何の脈絡もない一言によってその場の静寂が破られた。
    部屋に備え付けられた貝のような意匠を施された椅子に座って読書に勤しんでいたジェイドは、読みかけの本から自身の片割れへ視線を移す。

    「番になってくんない?」
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    nico

    INFOジェイフロ小説アンソロのサンプルです。NRC時代の冒頭部分と、25歳になってからの彼ら部分を少々追加しました。冒頭しんみりめいてますが、しんみりしてるのは最初だけで内容はラブコメだと思ってます。ハッピーハッピーハッピーエンドなジェイフロです。
    余談ですがあまりの文字数の多さに主催のしののさんに泣き付きました……!
    ふゆのおわりにうたう唄 息が白い。
     海の中では見られない現象を面白く思いながら、オレは出来たばかりの魔法薬を雲がかかる空にかざした。虹色に輝く半透明の液体が、ガラス瓶の中で揺らいでいる。なにとはなしに左右に振れば、それは美しく光りながらたぽたぽと瓶の中でたゆたった。
    「キラキラじゃん」
     まるで他人事のようなつぶやきが白く変わって空気に溶ける。外廊下に隣接している学園の裏庭。流れる吐息に誘われて目を向ければ、そこは一面真っ白な新雪に覆われていた。
     寒さのせいか、庭に人の気配は全くない。まっすぐ歩いていた外廊下から、裏庭へと向きを変える。芝生の上に落ちた雪が、平らな革靴の底で圧縮される感覚があった。もう少し積もったら、滑って転んでしまいそうだ。そんなことを考えながら、オレはうっすらと雪がかぶったスチールのベンチを、ゴム手袋をしたままの手でぞんざいに払った。脚を伸ばして腰かけて、灰色の空を大きく仰ぐ。
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