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    tap23pa

    PROGRESS整骨院24(書き下ろし)の冒頭です。自分の尻叩き用に上げました。発行する本誌では大幅修正があるかもしれません。ご容赦ください。絵文字をいただけたらとっても嬉しいです。☆22、23は現在未掲載です。
    24「もっとみんなで整骨院物語」(途中)(整骨院の先生53歳×会社員51歳)

    「はい、八円のお釣りね」
    「はい。お世話様です」
     手に載せられたレシート、小銭、それと緑色のシールが三枚。ヴァッシュの口元が緩む。いかんいかん、変態さんだ、と拳を口に当てて咳払いする。
     買い物をした金額に応じてシールがもらえる我が町の商店街。この頃はカードに押印のみならず、バーコード読み取りやら、アプリ提示やらで、お手軽感覚は増してきている。そんな世間一般の「当たり前」の荒波に、仁王立ちをして真っ向から勝負をしているこの町の気概が、ヴァッシュはとても好きだった。
     よいせっと、と赤いカゴを置き、エコバックを広げる。
     ウルフウッドに言わせれば「客の使い勝手とかいうレベルやないて。商店街のジジババ連中が、やり方変えるんが面倒なだけや」ということらしいが、好きな理由は他にもある。このシール台紙は、五十個溜まると歳末大感謝祭の引換券になるのだ。
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