喧嘩するほど仲が良い「悟、いい加減にしな」
場所は談話室。あからさまに機嫌の悪い俺に声をかけてきたのは親友の傑である。イライラして周りに当たり散らす俺を見て一言物申したくなったらしい。俺の前に仁王立ちする傑を見上げる。
「あ?なにがだよ」
「とぼけるな。最近の君の評判最悪だよ。常にいらいらして任務のときも必要以上に物を壊してるって。さっき一緒になった補助監督に泣きつかれたんだけど」
チッ、あいつ夜蛾センじゃなくて傑にチクったのかよ。最悪。次会ったら絞めてやる。
「悟!話聞いてるのか」
物騒なことを考えていると、表情に出ていたのか傑はますます顔を険しくして俺を睨みつけた。
「うるせえな、ほっとけよ」
「どうしてそんなにイライラしてるんだ。なにかあったのか?」
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