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    VEN

    UqYzs

    PROGRESSうぇんてぃ友情夢。男主。拗らせている世話焼きの話。すぐに修正入れるし中途半端で終わる。
    そこかしこにいろんなもののネタバレの雰囲気
    ともがき いつまでも、ゆめにみる。
     彼のうつくしい瞳がおれを見ていた。まだふたつに分かたれていた時にはなかった色、彼らしいまばゆい色だった。そのなかに含まれていた感情に、おれは、そのことばを賜るまでまるで気がつきやしなかったのだ。
    「もうきみは、とっくに僕の──……」
     その瞳に偽りはなかった。心の底から紡がれた言葉だった。それを巧みに操る彼のうたがここちよく、同じく言葉を扱うものとして尊んでいた。だというのに、だからこそ。その瞳に、声に、言葉に詰め込まれたそれが、どうしても。

    ***

     そのひとに初めて会ったのは、塵歌壺のなかだった。
     まだ俺とパイモンしか入れないはずのちいさな箱庭、必要最低限のものしか置いていない広い館の一室で、空中に文字を書きつけている姿はいっそこちらを感動させた。指先から白緑の光が伸びていくさまが幻想的だったのもあるが、なによりも少しを声をかけたくらい、武器を向けたくらいでは気づかないのである。耳の遠い人に声をかけるくらいの音量でやっと俺たちを目に移した彼は、きょとんとした顔で言った。
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