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    カラアゲ

    浦山ナツメ

    PROGRESSカス教1-1
    出来たところからあげてくことに決めた。
    雀を愛し保護をする、この新興宗教の教祖のもとへ来て早1週間が経った。
    教祖はカースに対して他の雀たちと変わらぬ対応をしてくれたが、異常なまでに大きい体躯に対して
    他の雀たちは萎縮しやはりカースを避けていた。
    寂しくないと言えばウソとなるが、相手にしてくれるだけまだいいのかもしれない、
    今までよりマシだということを考えるとカースには弱音など吐けなかった。
    口元の縫い目を教祖に見せはしたが、一般的に恐ろしい見た目であることをカースは理解していたため
    今まで過ごしていたように口元にマスクをして教祖の下で過ごしていた。
    「さぁさぁ、天使たち。今日は何をしましょうか!」
    教祖は雀たちを集め、天使と呼んだ。(カースも例外なく天使と呼ばれた)
    この1週間過ごしてみてわかったのは、教祖は確かに分け隔てなく愛してくれる。
    しかし誰もがかけがえのない、個人であるとして見ているようには思えなかった。
    自分の名前を呼んでほしくてお願いをしてみたことはあるが、
    呼んでくれたのは初めの一度だけ。それ以降は
    「天使の名を呼ぶなどできません。」
    と断られてしまった。
    ただ、それだけでカースが個人としてみていないのでは 548