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    ストレート

    ParAI_t

    DONE「オトメ勇者版週末創作一本勝負」の参加作品です。テーマは第一回の「勇者の目覚め」と「笑顔」のつもり。
    本当はストレートにお題を解釈したメイン寄りの話にしようと思ってたんですけど、「6月だしジューンブライドネタは入れたいよな…」とか欲を出し変則的な話になりました。まあ、今月またそんな感じのテーマ来たらもっかい書けるしいいよねって←
    タイトルに指輪と雄弁をかけたつもりはあるけど、指輪でてきてないな…。
    はじまりは銀色な / クロアス 祭壇へと長く伸びる赤い絨毯を、アステルは歩いていた。天井のステンドグラスから注ぐ光は、淡い彩りで床に影を落としている。一歩、また一歩とそちらへ近づいていけば、永遠の愛を誓う相手の様子がはっきりと見えた。
     着慣れない裾の長いドレスやこれからの一連の儀式に緊張しているアステルへ、『大丈夫だ』と言うように優しい眼差しが向けられる。とくんと胸が高鳴ると、張りつめていた気持ちは身体の奥から沸き上がる柔らかで温かい想いに解されていった。足が進むごとに、これから始まる未来への喜びと幸福が満ちていく。祭壇の前に着く頃には、頬が色づく理由は希望に溢れたものに変わっていた。そのまま、いつの間にか諳んじる事ができるようになった宣誓を終え、隣の男性と向かい合う。
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