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    バージョン

    hana_rgbch

    DONEおれうら3展示①新作。
    書き途中の短編が間に合わなかったので冒頭だけSSとして展示するものです。
    続きは2万字くらいで春までにはpixivにあげるつもりです。その時に一気読みしていただくのも嬉しいです☺️
    ※展示②は同じお話のレオナさん側バージョンで、無配本『サバナァ』に載せていただいた再録です。
    あーあ、ずっと一緒にいれたらいーのに。────

     先はないという事実は、火を見るよりも明らかだった。
     頂上と底辺。エレメンタリースクールの子供にだって描ける簡単な三角形で、あまりにもハッキリとしたてっぺんとすみっこ。
     それなのに、レオナさんの恋人の座に収まってみたいという渇望に、そして、実際に収まらせてくれるという本人からの誘惑に、どうしても抗えなかった。

    (あーぁあ、ちょっと経験してみたかっただけなのにな。たった数ヶ月でも、独り占めできたら……なんて。)

     世話係として通い慣れた部屋の真ん中、イチ学生には不釣り合いな大きなベッドで、隣に大好きな人の温もりを感じながらとろりと微睡む。そんなオレの髪を、レオナさんがゆったりと撫でる。
     怠惰な生活を1番近くで見ていたから、付き合う前は、ことが済めばそのままだらりと寝てしまうんだろうと思っていた。なのに、こんな……大切な宝物を慈しむみたいに、いつまでもいつまでも飽きずに撫でていてくれる人だったなんて。無意識なのだろうか、厄介な色男だと思う。
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