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    投影

    ぽみょか

    DONEこんな感じの本が出る予定~…
    コウキぬいとあげはぬいが人類の消えた世界でちいさないのちしてるはなし(???)


    ⚠️ごりごり特殊設定本⚠️
    ※南揚のエッセンスが投影されたぬいたちが主役
    ※南揚本人は出ない
    ※ぬいが流暢にしゃべるし歌う
    ※書いてる側もふわふわした設定でなんとなくで楽しんでる
    ◆はれたそらに





    「あげはぁ、洗剤手に入ったよ。
    キャップ一杯分もある」

    ととっ、と板張りの床へ響いたコウキぬいの足音に、あげはぬいは顔を上げた。


    コウキぬいは、足が速い。
    声がかかって顔を向けると思ったよりも近くにいるから、いつもびっくりさせられる、と、あげはぬいは目をぱちぱちさせて思った。
    足の長さは、あげはぬいとそう変わらないはずなのに。どうしてあんなに、さくさく歩いて走れるんだろう。ちがうのかな、どこかの綿が。

    「ほらみて、これ」

    真隣に立ったコウキぬいが両腕を使って大事そうに差し出したのは、重たそうなペットボトルのキャップ。
    トロンとした半透明の液体が、うちがわでゆっくりと波うっている。
    ないはずの五感をふうわりなでてくすぐるのは、あたたかい色の花のかおりと、綿の身体が覚えている胸のすくような清涼感。
    明日は久しぶりのセンタクだ、と。
    あげはぬいも笑顔になった。



    ***
    洗濯をする日、あげはぬいたちの朝は早い。

    よく晴れていても天気が急に変わる日だってあるし、夏でも気温が一日中高いままだって保証もないから、なるべく朝の早いうちに洗うのをすませて、乾か 4036