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    にゃの

    yuruyuru_oni

    MOURNING去年のクリスマスに書いたごんみきSS。
    頑張るおにゃのこは大好きです。
    「ただいまー……」
     無人の自宅に響くただいまの声は虚しい。それでも、根付いた習慣は変わらないし、この言葉ひとつで張り詰めていた『アイドルの私』がパラパラと剥がれ落ちていく。
     ベッドルームに入って薄い上着を脱ぎ、ひと息。ひと月近く続いたお仕事デスマーチがようやく終わったのだ、とじわじわと実感がやって来る。
    『今年もクリスマスはぼっちかのぅ』
     ぽつりと呟いたあの人の言葉にハッとしたのが冬の始まり、そしてあの鬼畜マネとの交渉という名の戦争が始まった。
     一切仕事にNoを言わない、その代わりクリスマスに収録のある仕事は断固断る!とのこちらの要求をなんとかマネージャーに呑ませて、それからの仕事はひたすらにアレだった。
     普通の歌番組、ライブの合間に怪我してナンボレベルのえぐいロケ、落とし穴ドッキリ、マキちゃんからの寝起きドッキリ、その他その他……。
    「アイドルって何だっけ?ってちょくちょく思ったなぁ……」
     乾いた笑いが私の口角を痙攣らせる。
     それでも、私はやり遂げた。これで明日と明後日はお休みで、あのひとと初めてのイヴとクリスマスを過ごすのだ。
     仕事の合間にプレゼントも用意した。お料 920