Kiki98352010
MEMO書きたいシュチュエーションだけ最後の夏休み滑らかな音色が広い部屋に響き渡る。薄いカーテンに差し込む夕日が、風で遊ばれるせいで部屋の中には不規則な光が注いでいた。白く無機質な部屋に、長い手すりがぐるりと囲み、一面の壁が鏡となって部屋の中の人物を映している。
薄い金の髪に一筋の灰黒の髪。白い薄手のドレスが動くたびに翻り、真っ白な素足を見せていた。
彼女は軽やかに音を奏でながら踊っていた。音に身を任せ、体の、音の、赴くままに顎にヴァイオリンを挟み、右手で緩やかに弓を動かして、左手でリズミカルに弦をつま弾く。
漸く一曲が終わる頃に、クルーウェルは拍手をしながら部屋の中央へ歩き出した。遠慮してたわけではなかった。彼女の爪弾く音が、苦しそうに聞こえたから。
「・・・来てたのね」
エリザベスがヴァイオリンをおろして入ってきた俺を出迎えてくれる。「弾き続けてくれてもよかったんだぞ」と言いながらエリザベスを腕の中に閉じ込めると、静寂が世界を支配して、ここが賑やかな学校だということを忘れさせた。いつからいたとか、何故こんなところにいるとか、そう言った無粋な質問は飛んでこなかった。いつだってそうだった。無闇に人に踏み込んでこない 1403
Kiki98352010
MAIKING続きでも最初の印象はこんな物騒なものじゃなかった。初めてエリザベス(リサ)に会ったのは、監督生である自分が、NRCという慣れない環境で、四苦八苦していた時期だ。
「魔法に不慣れな監督生さんには“加配”という形で補助をおつけします。一部の魔法を利用する授業、その他慣れない授業内容を質問する様に。え?いやぁ、配慮ですよ!ハイリョ!だって私、優しいですからね!」
NRCの生徒たちが、学校イベントの中で最も嫌いなイベントであろう統一試験の知らせが配られるよりもかなり前の頃。学園長がテンション高くこんなことを言い出した理由に監督生は覚えがあった。端的に言おう。
自分こと、オンボロ寮の監督生が、ぶっ倒れたのである。中々タフで有名な監督生も、慣れない世界での活動に加えて日々の活躍に疲れてしまったのだろう、というのが周囲の意見だった。
その負担を軽減するために学園長がオンボロ寮によこしたのは、監督生より少し背の高い、中性的な顔立ちの生徒だった。
「今日からお世話になります、エルと言います。ユウさん、どうぞよろしくお願いします」
そう挨拶した生徒は、白に近い金髪の毛を高い位置で一つに括り、キリリとし 4178
手羽先
MOURNINGほんとうに意味のないバトルまんがもどきです。いろいろガバガバなので深く考えずに見ていただけたら助かります。※単に描き慣れなくて恥ずかしいという理由だけでワンクッション置いてます。あしからず… 2
ひすい
TRAINING*TRPGリプレイ小説①*【初恋性ストックホルム症候群】whisデュエス
番外編更新2
「初めまして、お前を誘拐しました」から始まるデュエス のデュース視点補足・蛇足更新となります。
TRPGを知らない方でも、ただの小説として読む事が可能です。
※ストーリー全体を通して年齢操作、犯罪表現、体調不良表現、死ネタが含まれています。 2295
Kiki98352010
MAIKING小説の冒頭にぎやかな学生たちの声が聞こえる昼下がりの廊下。前を歩く柔らかな毛皮のコートの背に向かって監督生は、意を決してずっと考えていた謎を問いかけた。
「ヒジョーに言いにくいのですが、『あの人、先生の恋人』ですか?」
「知りたいか?アイツはな....」
そう尋ねた監督生に向かって、その人は見惚れるほど美しい顔で、艶やかに笑った。
…………………………
「エリザベス・ラドクリフ」という名前の非常勤講師のことを、知らない同学年はいない。
以前までは彼女のことを侮ってかかる輩もいた。
男子校のNRCにおいて、あるいは思春期真っ盛りの男子にとって、と言ってもいい。女性とは神秘あるいは魅惑の対象だろう。
しかしとある事件をきっかけに侮る生徒はいなくなった。侮ることなどできなくなった。
その事件は、一部の生徒の中でこっそりとこう呼ばれている。
「リドル寮長ぶん殴り事件」
『自分の実力が相手を上回っていることを知りながら、格下から罵倒されたから相手の出自にまで口を出すのは、テストで0点を取るより恥ずかしい行為だと思いなさい』
そう言い渡した瞬間、リドルは地面に沈んだ。
彼女の拳は、 746