clarchuman35d
DOODLE『JAM!!』の2人です。芸人のミスター(相方はトゥワイス)と、V系バンドのドラマー荼毘(メンバーはとむスピトガ)の話。
現パロ燈矢くんから電話で「人、殺したかも」って言われたあつひろはどういう反応をするか、っていうTwitter大喜利(?)で呟いた話を書きました。
※『JAM!!』サンプル→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19754795
年末ドッキリンピック「俺、人、殺したかも……」
十二月某日、木曜日の二十三時三十六分。呼出音が途切れ、もしもし、どうしたの、なんてのんびりした調子で尋ねてくる男の声を遮って、燈矢は告白した。一瞬、電話口が静かになる。けれど、
「だっ……、て、お父さんが……っ」
燈矢がそう言って堰を切ったように泣き出せば、男は即座に、静かなまま問うた。
『おまえ、今どこ?』
「……っ、ど、どこ? わかんないよぉ」
『分かった、位置情報送って。大丈夫。すぐ行くから』
泣き声を上げながらたどたどしくも、言われた通りに位置情報を送信すると、彼は『十五分で着く』と言った。
「はやくきて……っ」
『すぐ行くから、電話はこのまま――』
繋いだまま、と言いたかったのだろうけれど、燈矢はそこでブチッと切った。スマートフォンの画面には、〝通話終了〟の文字とともに、迫圧紘の名前が表示されている。
4831十二月某日、木曜日の二十三時三十六分。呼出音が途切れ、もしもし、どうしたの、なんてのんびりした調子で尋ねてくる男の声を遮って、燈矢は告白した。一瞬、電話口が静かになる。けれど、
「だっ……、て、お父さんが……っ」
燈矢がそう言って堰を切ったように泣き出せば、男は即座に、静かなまま問うた。
『おまえ、今どこ?』
「……っ、ど、どこ? わかんないよぉ」
『分かった、位置情報送って。大丈夫。すぐ行くから』
泣き声を上げながらたどたどしくも、言われた通りに位置情報を送信すると、彼は『十五分で着く』と言った。
「はやくきて……っ」
『すぐ行くから、電話はこのまま――』
繋いだまま、と言いたかったのだろうけれど、燈矢はそこでブチッと切った。スマートフォンの画面には、〝通話終了〟の文字とともに、迫圧紘の名前が表示されている。
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DONE「嘘つきたちの即興劇」の後日談です。トガちゃん目線の迫燈の話。
お手元に本をお持ちの方のみお読みいただけます。
パスワードは、本のあとがきをご覧のうえ、以下の質問にカタカナで答えてください。
【質問】稽古最終日の迫圧紘は、誰を慌てさせた? 3506
saisaioneone
DOODLE迫荼onSTAGE開幕おめでとうございます!
展示ラリー【e】
荼毘くんの爪を切るミスターのお話です
WebアンソロにもSSで参加させていただいております!よろしくお願いします🥳
これも全部、必要なことパチン、パチン、パチン――――。
静かな部屋の中で爪を切る音だけが響く。ベッドの端に座った荼毘の向かいに座ったコンプレスはつぎはぎの手を取って、丁寧に爪を切っていく。
少し伸びた爪を爪切りで切って、やすりで整える。
そんなに丁寧にしなくても邪魔にならなければ何でもいいのにと思いながらも、荼毘は大人しくしている。
ガタつく爪をやすりで削って、引っかからないように指に沿ったカーブを作る。片方の指を仕上げて満足そうにしたコンプレスは「はい、反対の手出して」とまるでお手をしてもらうかのように荼毘の手を待った。
荼毘はベッドの上に置いていた手をコンプレスの前に出す。
「……楽しいか?」
反対側も同じように伸びた爪が切られていく。機嫌が良さそうな顔をしてるコンプレスに荼毘は眉をしかめながら聞いた。
1689静かな部屋の中で爪を切る音だけが響く。ベッドの端に座った荼毘の向かいに座ったコンプレスはつぎはぎの手を取って、丁寧に爪を切っていく。
少し伸びた爪を爪切りで切って、やすりで整える。
そんなに丁寧にしなくても邪魔にならなければ何でもいいのにと思いながらも、荼毘は大人しくしている。
ガタつく爪をやすりで削って、引っかからないように指に沿ったカーブを作る。片方の指を仕上げて満足そうにしたコンプレスは「はい、反対の手出して」とまるでお手をしてもらうかのように荼毘の手を待った。
荼毘はベッドの上に置いていた手をコンプレスの前に出す。
「……楽しいか?」
反対側も同じように伸びた爪が切られていく。機嫌が良さそうな顔をしてるコンプレスに荼毘は眉をしかめながら聞いた。
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PROGRESS芸人ミスター×ドラマー荼毘。抱かれたい芸人ランキング常連の本気のセックスを見せてやるぜ! という気持ちで書いています。
PW:18歳以上ですか? yes/no 2037
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PROGRESS芸人ミスター×ドラマー荼毘ミスターはピアノを弾きます。エンターテイナーなのでそれくらいは朝飯前。
迫荼芸能パロ進捗② 始まりは、フォービートのシンバル・レガート。基本形のリズムで相手の出方を窺う。するとあちらも、仮面の下からこちらの様子を見るように、シンプルなコード進行で応えた。リズムに寄り添って歩く彼のメロディはコードから逸脱しない動きで、しかしまもなく遊びが入る。
CisとDのトリル。マジシャンのシルクハットから飛び出した、真っ白な鳩が羽ばたくようだ。
左手は落ち着いた和音を奏でていて、しっとりと水分を含んだメロディが鍵盤の中程で動いている。それにもかかわらず、異質なトリルは高音で鳴り続ける。
なにそれどうやって弾いてんの?
もしかすると彼には腕が三本あるのかもしれない。義手でも生やしているのだろうか。手元が見えなくて残念だ、と燈矢が笑うと、手先の器用なピアニストの右手は半音階で高音を下り、ト音記号の五線の下で明朗に歌い始めた。
1728CisとDのトリル。マジシャンのシルクハットから飛び出した、真っ白な鳩が羽ばたくようだ。
左手は落ち着いた和音を奏でていて、しっとりと水分を含んだメロディが鍵盤の中程で動いている。それにもかかわらず、異質なトリルは高音で鳴り続ける。
なにそれどうやって弾いてんの?
もしかすると彼には腕が三本あるのかもしれない。義手でも生やしているのだろうか。手元が見えなくて残念だ、と燈矢が笑うと、手先の器用なピアニストの右手は半音階で高音を下り、ト音記号の五線の下で明朗に歌い始めた。
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PROGRESS芸人ミスター×ドラマー荼毘始まりの朝。覚えのないホテル。
ミスターは最近人気が出てきてまあまあ忙しい。昨夜のことを覚えていない。
荼毘くんはV系バンドのメンバーで、普段は火傷で爛れた特殊メイクをして活動している。昨夜のことを覚えている。
迫荼芸能パロ進捗① 迫は、焦っていた。
見慣れない風景、全裸の自分。
壁一面の窓、一部だけブラインドの上がったところからは眩しい朝の光が射し込んでいて、肌触りの良いシーツに包まれたキングサイズのベッドは、ただ寝ただけにしてはずいぶんと乱れている。起き上がった視線の先には猫脚のテーブルと、革のソファ、床はおそらく毛足の長いワインレッドの絨毯だ。人の家、というような生活感はなく、おそらくは手入れの行き届いた宿泊施設。それもかなりランクの高いホテルと見えた。
何か手懸かりがないかと見渡す。ベッド横のゴミ箱には蓋がしてあって、埃一つ載っていないそれをそろりと開けると、案の定、丸めたティッシュでいっぱいだった。ピンク色の、口を結ばれたゴムの存在には、一旦気づかなかったことにする。
3556見慣れない風景、全裸の自分。
壁一面の窓、一部だけブラインドの上がったところからは眩しい朝の光が射し込んでいて、肌触りの良いシーツに包まれたキングサイズのベッドは、ただ寝ただけにしてはずいぶんと乱れている。起き上がった視線の先には猫脚のテーブルと、革のソファ、床はおそらく毛足の長いワインレッドの絨毯だ。人の家、というような生活感はなく、おそらくは手入れの行き届いた宿泊施設。それもかなりランクの高いホテルと見えた。
何か手懸かりがないかと見渡す。ベッド横のゴミ箱には蓋がしてあって、埃一つ載っていないそれをそろりと開けると、案の定、丸めたティッシュでいっぱいだった。ピンク色の、口を結ばれたゴムの存在には、一旦気づかなかったことにする。
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PROGRESSタイムトリップ前、ミスターとマグ姉が喋ってるとこに、荼毘が入ってくる場面。ミスターと荼毘の、始まるきっかけ。強がりな荼毘が不穏な台詞を吐いてますが迫荼です。ひっくり返ることはないです。
迫荼タイムトリップ本進捗③「盗むんなら、コソコソせずに金持ちを殺しちゃった方が早いと思わないの?」
死人に口なしだから、うまくやれば証拠も残らないわよ、とマグネは言った。あれはまだ神野区のバーをアジトにしていた頃で、他のメンツは出払って、何ともなしに、二人でカウンターに座ってちびちびと酒を呑んでいたときだった。
「せっかくの観客を、殺しちまうのは勿体ねえだろ」
「どういう意味?」
「エンターテイメントは、観客がいないと成り立たないってこと」
大袈裟に肩を竦めてやると、マグネもまたコンプレスの真似をして同じポーズを取る。
「……へえ。あんたって変わってるわよね」
「変人だって貶してる?」
「褒めてるのよ。アタシ好きよ、そんな男」
そうして、こちらを見つめてマグネは言うのだ。
3459死人に口なしだから、うまくやれば証拠も残らないわよ、とマグネは言った。あれはまだ神野区のバーをアジトにしていた頃で、他のメンツは出払って、何ともなしに、二人でカウンターに座ってちびちびと酒を呑んでいたときだった。
「せっかくの観客を、殺しちまうのは勿体ねえだろ」
「どういう意味?」
「エンターテイメントは、観客がいないと成り立たないってこと」
大袈裟に肩を竦めてやると、マグネもまたコンプレスの真似をして同じポーズを取る。
「……へえ。あんたって変わってるわよね」
「変人だって貶してる?」
「褒めてるのよ。アタシ好きよ、そんな男」
そうして、こちらを見つめてマグネは言うのだ。
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MEMO「バッドエンドに花束を」のその後、迫が腕を失くしたときの燈矢の話。
パスワードは、本編最終章(Ⅲー4)のサブタイトルです。本の目次または298ページ以下をご覧ください。 1057
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DONE2022年11月発行の同人誌「バッドエンドに祝福を」の後日談です。本のあとがきで触れた記者会見の全文と、それから数年後の1月18日のふたりの話。
パスワードは、本編最終章(Ⅲー4)のサブタイトルです。本の目次または298ページ以下をご覧ください。 5455
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PROGRESSカジノに潜入捜査中です。ヒーローであることを隠すために、燈矢は黒髪黒目に偽装している。
ミスターは前世の記憶あり。燈矢は記憶なし。
【迫荼】怪盗×ヒーロー原稿進捗② 広いフロアを、ヒーローと警察で手分けして探す。ルーレットのテーブルのそばを通ったところで、二つ先のテーブルに、迫がいるのを見つけた。
≪こちら蒼穹。ホシを発見。E2エリアの中央付近の台。近づいて様子を見ます≫
立てた襟に付けているマイクで報告した。無線で連動した右耳のイヤホンから、了解、とスナッチの声が返る。
他の客に紛れながらさりげなく近寄って、目だけで迫を窺った。カードゲームをよく知らないので、何のゲームかは不明だが、迫はディーラーに向けニヤリと笑って、トランプを二枚場に出した。
「上がり」
「おめでとうございます」
ディーラーはにこやかに、場に積んだチップをT字のレーキで迫へ渡す。
「半分もらって、もう一ゲームいいかな」
1367≪こちら蒼穹。ホシを発見。E2エリアの中央付近の台。近づいて様子を見ます≫
立てた襟に付けているマイクで報告した。無線で連動した右耳のイヤホンから、了解、とスナッチの声が返る。
他の客に紛れながらさりげなく近寄って、目だけで迫を窺った。カードゲームをよく知らないので、何のゲームかは不明だが、迫はディーラーに向けニヤリと笑って、トランプを二枚場に出した。
「上がり」
「おめでとうございます」
ディーラーはにこやかに、場に積んだチップをT字のレーキで迫へ渡す。
「半分もらって、もう一ゲームいいかな」