MASAKI_N
DONE怪物jwds⑧Beyond the rainbow「あ」
結局プレイリストの曲を何曲か流したところでまた胸がいっぱいになり、最後まで聴けずに帰宅した。ビデオ通話の録画データを隔離して保存すべきかと操作する。
二人とも眠ってしまってからの動きの少ない部分は削除したが、起床したドンシクの着替えが映っている可能性に気付き、ジュウォンは戸惑いつつも、そっとデータを確かめる。
確かめずに消すべきだと、本当は知っている。思春期の青少年か。と自分にツッコミを入れたものの、それ以外のなにものでもない。
ドンシクは目覚めてすぐ端末をチェックしていたから、繋がったままなのは気付いていただろう。録画に気付いていなくても、起きてすぐ見えるなら同じだ。でもそれなら、見てはいけないものではないことになる。
1579結局プレイリストの曲を何曲か流したところでまた胸がいっぱいになり、最後まで聴けずに帰宅した。ビデオ通話の録画データを隔離して保存すべきかと操作する。
二人とも眠ってしまってからの動きの少ない部分は削除したが、起床したドンシクの着替えが映っている可能性に気付き、ジュウォンは戸惑いつつも、そっとデータを確かめる。
確かめずに消すべきだと、本当は知っている。思春期の青少年か。と自分にツッコミを入れたものの、それ以外のなにものでもない。
ドンシクは目覚めてすぐ端末をチェックしていたから、繋がったままなのは気付いていただろう。録画に気付いていなくても、起きてすぐ見えるなら同じだ。でもそれなら、見てはいけないものではないことになる。
MASAKI_N
DONE怪物jwds⑦薄暮まで「ヤー、来たね。お疲れ様。ハン・ジュウォン警部補」
「お待たせしました。イ・ドンシクさん」
海浜公園と併設されたホテルの駐車場で落ち合って、眺めのいい場所にいたドンシクに声を掛けた。
「良かった。昨日の夜より元気そう」
「あなたは――」
長い髪は思ったよりずっと儚げに見えて、薄曇りの空に紛れて消えてしまいそうだ。
呪いは解け、敵は去っても、後悔と悲しみはまだ胸にある。
それでも、新しく芽生えた希望と、やっとドンシク自身のものになった人生。
「初めからこういう風に会えば良かったね。そしたらあなた、もっとよく眠れたのに」
昨晩の通話は楽しかった。外もいいが、自分の部屋にいる方がいい。
「ホテルに泊まるんですか?」
2866「お待たせしました。イ・ドンシクさん」
海浜公園と併設されたホテルの駐車場で落ち合って、眺めのいい場所にいたドンシクに声を掛けた。
「良かった。昨日の夜より元気そう」
「あなたは――」
長い髪は思ったよりずっと儚げに見えて、薄曇りの空に紛れて消えてしまいそうだ。
呪いは解け、敵は去っても、後悔と悲しみはまだ胸にある。
それでも、新しく芽生えた希望と、やっとドンシク自身のものになった人生。
「初めからこういう風に会えば良かったね。そしたらあなた、もっとよく眠れたのに」
昨晩の通話は楽しかった。外もいいが、自分の部屋にいる方がいい。
「ホテルに泊まるんですか?」
MASAKI_N
DONE怪物 jwds小話回想シーンのジュウォンが連れているぬいぐるみの話です。
Dormiglione 目覚めるまでの数秒、不思議な感覚を味わう。誰かと手を繋ぐことなんて、道に迷った誰かの手を職務上、仕方なく引く時ぐらい。十数年振りだろう。
イ・ドンシクに出会うずっと前。最後に望んで手を繋いだのは、誰だっただろうか。僕は――
「ジュウォナ」
ようやく慣れてきた、隣にドンシクのいる朝。
「……ぁあ、おはようございます」
ドンシクは寝姿勢に合わせた流線型の抱き枕に、右足を乗せるようにして眠るのが常だ。誕生日プレゼントのおまけでジュウォンが用意したものを、どうやら気に入ってくれているようだった。
足腰の負担を軽減できるし、パーソナルスペースが広いジュウォンとも、寝ている間にお互いのスペースを狭めにくい。何より、枕に抱きついて眠る様子をかわいいと思っていることは、ドンシクには内緒だ。
5835イ・ドンシクに出会うずっと前。最後に望んで手を繋いだのは、誰だっただろうか。僕は――
「ジュウォナ」
ようやく慣れてきた、隣にドンシクのいる朝。
「……ぁあ、おはようございます」
ドンシクは寝姿勢に合わせた流線型の抱き枕に、右足を乗せるようにして眠るのが常だ。誕生日プレゼントのおまけでジュウォンが用意したものを、どうやら気に入ってくれているようだった。
足腰の負担を軽減できるし、パーソナルスペースが広いジュウォンとも、寝ている間にお互いのスペースを狭めにくい。何より、枕に抱きついて眠る様子をかわいいと思っていることは、ドンシクには内緒だ。
nigiyakashi3
DONEjwdsが同級生だったら?と考えてみたけど、やっぱり初めはギスギスして全然仲良くなれなそうで笑っちゃった。栗を踏むでかい欠伸をするのと同時に、後ろで蝶番の錆びた鉄扉が開く音がした。うるさいなあ、と思って振り返ると、隣のクラスの秀才くんが入ってくるところだった。あいつ、知ってる。名前は確か。
「ハン・ジュウォン、あんたも屋上なんか来るんだなあ」
そいつは、ものすごく嫌そうに顔をしかめてドンシクを見返した。
「…馴れなれしく話しかけないでくれる?僕は君を知らない」
「おう、そりゃ失礼しました」
ドンシクが肩をすくめて見せると、ジュウォンはフンと鼻を鳴らして離れた柵の方へ行ってしまった。その定規が入っているみたいにぴんと伸びた背筋を、毬栗みたいだなあと思う。あんなのでも、顔立ちがきれいだから女にはモテるのだ。勝ち組ってのは、何から何まで初めから持っている。羨ましい限りだ。
5522「ハン・ジュウォン、あんたも屋上なんか来るんだなあ」
そいつは、ものすごく嫌そうに顔をしかめてドンシクを見返した。
「…馴れなれしく話しかけないでくれる?僕は君を知らない」
「おう、そりゃ失礼しました」
ドンシクが肩をすくめて見せると、ジュウォンはフンと鼻を鳴らして離れた柵の方へ行ってしまった。その定規が入っているみたいにぴんと伸びた背筋を、毬栗みたいだなあと思う。あんなのでも、顔立ちがきれいだから女にはモテるのだ。勝ち組ってのは、何から何まで初めから持っている。羨ましい限りだ。
ぶるたす
DONE「ありがとうございます、世子様。大切にしますね」やぎのみやさん(@gogoyaginomiya )の世子jw×化け狐dsさんのお話が素晴らしくて、あの美しい情景を描き表す事など到底無理ですが、"二年越しの花冠"が描きたくて…!
ぶるたす
DOODLE雨の日のdsさんは銃創が疼くので、ギス期のhjwにいい加減苛々して「こんなんなのに爽やかだな、坊ちゃん」「くそ…イ・ドンシク…!」て…いう事もあったかもしれない。無かったかもしれない。神の舌舐めずり癖がどうにも好きですし昼なのにすいませんですし金曜ですし。
Jay740530
MOURNINGjwds キスマーク※jw side(先にds sideを読んで頂いた方がお楽しみ頂けると思います)
ds side ▶︎ https://poipiku.com/7670823/8755440.html 4
MASAKI_N
DONE怪物jwds⑭事実 長い髪が好きというわけではないようだが、ハン・ジュウォンは明らかに、ドンシクの伸び切った髪に惑わされている。
まだ恋人同士になる前に一度、このくらいの長さでビデオ通話をした覚えがある。
ドンシクにわざわざ顔を見せてくるのはミンジョンくらいだったから、嬉しいやり取りだった。残念ながらドンシクは話している間に眠ってしまったが、目覚めた時ジュウォンの寝顔が画面の向こうにあって、どうしようもなく愛おしい気持ちになった。
もう誰も喪いたくないという気持ちとは違う彼への愛情が溢れ、胸がいっぱいになった。
お互い電話をするにも遠慮がある状態を変えようと、あの時からもっと繋がれるように意識した。
「髪が長いの、見慣れない?」
5188まだ恋人同士になる前に一度、このくらいの長さでビデオ通話をした覚えがある。
ドンシクにわざわざ顔を見せてくるのはミンジョンくらいだったから、嬉しいやり取りだった。残念ながらドンシクは話している間に眠ってしまったが、目覚めた時ジュウォンの寝顔が画面の向こうにあって、どうしようもなく愛おしい気持ちになった。
もう誰も喪いたくないという気持ちとは違う彼への愛情が溢れ、胸がいっぱいになった。
お互い電話をするにも遠慮がある状態を変えようと、あの時からもっと繋がれるように意識した。
「髪が長いの、見慣れない?」
MASAKI_N
DONE怪物jwds⑩合鍵 ドンシクに合鍵をもらった。
マニャンの二軒と現在の自宅の分。いくら警察官同士だったからといっても、あまりに不用心ではないか?
そう思ったが、こうなる前はお互い好き勝手に不法侵入していたから、今更か。
それでも嬉しさより神妙な気持ちが勝ってしまって、存在感を持て余す。
僕なんかに心を許し過ぎじゃないか、イ・ドンシク。
それともまた何か、試されているのか?
不在時に出入りする可能性や必要があって、それを無期限で許されるのがこんなに早いなんて。
でも確かに、お互いの気持ちを確かめた時にはもう「所長にもらったあの家で、いつか一緒に暮らしませんか」と提案されていた。自分もそうしたいと言ったはずだ。
今はわからないが「いつか」ならと思った。なんとなく、それは警官を辞めるか、勤務地が偶然あの家に近くなった時だと思った。
9148マニャンの二軒と現在の自宅の分。いくら警察官同士だったからといっても、あまりに不用心ではないか?
そう思ったが、こうなる前はお互い好き勝手に不法侵入していたから、今更か。
それでも嬉しさより神妙な気持ちが勝ってしまって、存在感を持て余す。
僕なんかに心を許し過ぎじゃないか、イ・ドンシク。
それともまた何か、試されているのか?
不在時に出入りする可能性や必要があって、それを無期限で許されるのがこんなに早いなんて。
でも確かに、お互いの気持ちを確かめた時にはもう「所長にもらったあの家で、いつか一緒に暮らしませんか」と提案されていた。自分もそうしたいと言ったはずだ。
今はわからないが「いつか」ならと思った。なんとなく、それは警官を辞めるか、勤務地が偶然あの家に近くなった時だと思った。
MASAKI_N
DONE怪物jwds⑨遊戯「元気だった?」
「ええ。忙しかったですけど。どうぞ、昼食はできてます」
ジュウォンは宿直明けで、明日は非番。昼からドンシクが来た。
ドンシクは、珍しくテレビゲームをやっているジュウォンの隣に座った。
「あれ、あなたの分は?」
ジュウォンは最近、ベトナム料理に凝っているらしい。小洒落た器に盛られたフォーが湯気を立てている。
「僕は、ブランチを食べたのでまだ空腹ではありません。熱いので気を付けて」
ブランチ。ジョンジェといたせいで割とお坊ちゃんの暮らしには慣れているし、ドンシクも両親が元気だった頃は、西洋文化寄りの行事や習慣も経験していた。でも、ナム所長と過ごすことが増え、離れていた文化だ。
「俺のためだけにわざわざ作ってくれたの?」
4793「ええ。忙しかったですけど。どうぞ、昼食はできてます」
ジュウォンは宿直明けで、明日は非番。昼からドンシクが来た。
ドンシクは、珍しくテレビゲームをやっているジュウォンの隣に座った。
「あれ、あなたの分は?」
ジュウォンは最近、ベトナム料理に凝っているらしい。小洒落た器に盛られたフォーが湯気を立てている。
「僕は、ブランチを食べたのでまだ空腹ではありません。熱いので気を付けて」
ブランチ。ジョンジェといたせいで割とお坊ちゃんの暮らしには慣れているし、ドンシクも両親が元気だった頃は、西洋文化寄りの行事や習慣も経験していた。でも、ナム所長と過ごすことが増え、離れていた文化だ。
「俺のためだけにわざわざ作ってくれたの?」
jirorias
MAIKINGネームがまだ完成していないため13Pまでの公開です。原稿自体も中途半端ですが少しでも楽しんでいただけると幸いです。
(完成時期未定)
*2000年夏、7歳ジュウォンと20歳ドンシク・ユヨンがムンジュ署近くの駄菓子屋で会うウルトラハイパーDXifストーリーです。
後々現代jwdsまで繋げる予定です。 14
dispose_of_love
MENUさわマル新刊『愛というより執着』
A5/P16/暗い漫画
通販価格250円
暗い話の短編漫画です。
CPとしてはジュウォンシク。
CP以外は、ドンシクとジフンの話、ジュウォンとヒョクの話、ドンシクとジンムクの話があります。
発送は5月19日前後になります。 3
dispose_of_love
MENUさわマル新刊『D(ドンシクさん)T(とっても大好き!)
ですが、それが何か?』
A5/P40/ギャグ漫画+小説
通販価格550円
キスしないと出られない部屋に閉じ込められたジュウォンとドンシクとジフンのギャグ漫画と、猫耳が生えたドンシクさんと令和な攻めのジュウォンのギャグ漫画です。
ゲストに蜂須賀さんが小説を書いてくれました。
発送は5月19日前後になります。 4
MASAKI_N
DONE非常宣言✕怪物クロスオーバー①副✕元とjwds前提で、ヒョンスとジュウォンがお隣同士に住んでるアースの話です。
一応、片方を観てなくてもネタバレ過ぎることは踏まずに読めるようにはしましたが、両方観た人はあ~ってなるといいな。
隣人「ジュウォナ、今そこ通った人見た?パク・ジェヒョク氏に似てたね。あの、飛行機の」
ドンシクの言葉にジュウォンは軽く頷いてから、「本人ですよ」と返した。
「え、このマンションに住んでるの」
「いえ。お隣のチェ・ヒョンスさんの部屋に来たんでしょう。ヒョンスさんが、ジェヒョクさんの話をよくしてくれます」
二人とも、つい最近あった大きな事件の功労者の一人だ。
「お隣と仲がいいの?珍しい。どんな人?」
この部屋の主であり法であるジュウォンは、ドンシクが脱ぎかけた上着を奪うように預かる。
「いい人ですよ。年はあなたと近いです。越してきた頃から色々と気づかってくださって――僕が知る中で一番、まともな人かもしれません。ヒョンスさんが家を空ける時にたまに頼みごとをされるので、買ってきて欲しい物をお礼としていただきます」
4779ドンシクの言葉にジュウォンは軽く頷いてから、「本人ですよ」と返した。
「え、このマンションに住んでるの」
「いえ。お隣のチェ・ヒョンスさんの部屋に来たんでしょう。ヒョンスさんが、ジェヒョクさんの話をよくしてくれます」
二人とも、つい最近あった大きな事件の功労者の一人だ。
「お隣と仲がいいの?珍しい。どんな人?」
この部屋の主であり法であるジュウォンは、ドンシクが脱ぎかけた上着を奪うように預かる。
「いい人ですよ。年はあなたと近いです。越してきた頃から色々と気づかってくださって――僕が知る中で一番、まともな人かもしれません。ヒョンスさんが家を空ける時にたまに頼みごとをされるので、買ってきて欲しい物をお礼としていただきます」