さくらい
PAST蛍🔥/塚橋短歌昨年発行した塚橋短歌集『紺碧のあした』より塚橋短歌、都々逸を画像にまとめたものを再録します。ifも現パロもごちゃ混ぜ。ほぼXに公開済のものですが楽しんで頂けたら幸いです。あとがきもおまけで載せています。※途中の30文字で小説を書くシリーズは省いています 18
さくらい
PAST蛍🔥/塚橋既刊『群青抱きて』収録、戦後の淀野さんとたろちゃんのお話です。短いですが気に入ってます。点と線約束の時間の少し前に着くと、もうそこに彼がいた。
「すみません、突然お呼びだてして」
「いえ、こちらこそわざわざこんな田舎まで来ていただいて……俺がお役に立てるかどうか」
油で薄汚れた作業服、と裏腹に名刺を受け取った指先は綺麗だった。
「特攻に征った〝やぎ〟という人の情報を探していましてね、もう十年になります。ご存知ありませんか?」
「やぎ、さんですか。聞いたことあるようなないような……そんな人いたようないないような……すみません、人の名前を覚えるのがあんまり得意じゃなくて。それに実際整備兵をしてたのもそんなに長い間じゃないんです、すぐに終戦になってしまって」
「いいんですいいんです、わかります。私もね、せっかく名前と顔を覚えても次の日にはもう会えない人になっている、そんなことしょっちゅうありましたから。仲良くなるだけ、その人のことを知れば知るほど、別れが辛い時代でしたね」
2015「すみません、突然お呼びだてして」
「いえ、こちらこそわざわざこんな田舎まで来ていただいて……俺がお役に立てるかどうか」
油で薄汚れた作業服、と裏腹に名刺を受け取った指先は綺麗だった。
「特攻に征った〝やぎ〟という人の情報を探していましてね、もう十年になります。ご存知ありませんか?」
「やぎ、さんですか。聞いたことあるようなないような……そんな人いたようないないような……すみません、人の名前を覚えるのがあんまり得意じゃなくて。それに実際整備兵をしてたのもそんなに長い間じゃないんです、すぐに終戦になってしまって」
「いいんですいいんです、わかります。私もね、せっかく名前と顔を覚えても次の日にはもう会えない人になっている、そんなことしょっちゅうありましたから。仲良くなるだけ、その人のことを知れば知るほど、別れが辛い時代でしたね」
さくらい
PAST蛍🔥/塚橋既刊『群青抱きて』に載せた書き下ろしです。戦後if
いま、ふたたび 硝煙に覆われた空が少し遠くなってから何日、いや、何ヶ月経ったのか。
「流石に都会の駅は大きいですね」
「そうだな、人がすごい」
茶褐色、青褐色、国防色の人の波。戦争が終わってもなかなか色は戻ってこない。列車も、駅も、どこもかしこも復員兵でごった返していた。一般市民か軍人かで分けられていた世界、軍務を解かれた今は誰しもが一般市民と言えた。駅舎を出たところで靴を磨く少年たち、顔を墨だらけにしてそれでも瞳はその手によって艶やかに光り出す靴を映している。まだ目は死んじゃいない。生きていかねばなと橋内が小さく、しかしはっきりとそう呟いたので、独り言かもしれなかったが塚本は一応はいと返事をした。
「あっちに闇市があるみたいですね」
6605「流石に都会の駅は大きいですね」
「そうだな、人がすごい」
茶褐色、青褐色、国防色の人の波。戦争が終わってもなかなか色は戻ってこない。列車も、駅も、どこもかしこも復員兵でごった返していた。一般市民か軍人かで分けられていた世界、軍務を解かれた今は誰しもが一般市民と言えた。駅舎を出たところで靴を磨く少年たち、顔を墨だらけにしてそれでも瞳はその手によって艶やかに光り出す靴を映している。まだ目は死んじゃいない。生きていかねばなと橋内が小さく、しかしはっきりとそう呟いたので、独り言かもしれなかったが塚本は一応はいと返事をした。
「あっちに闇市があるみたいですね」
nnoura82
DONE塚橋。「ふたりで(∞)」。シリーズ『ふたり、廻る』第四部(最終話)
ふたりで(∞)第四部 ―最終話―
夢。
真っ白の空間。扉がひとつ浮かぶ。手のひらを当てる。扉を押し、開ける。向こう側、小さく人の後ろ姿が見えた。迷うことなく飛び込む。そこで目覚める。いつも、いつも。
悪い気分ではない。多分、いい夢なのだと思う。
◆◆◆
刻まれた皺が物語る。幾度も冬を越してきた。
吐く息は白い塊となり宙を舞う。触れた肌は冷たかった。だが、交わるにつれ、流れる汗が熱い、触れる肉体が熱い、ふたりの吐息が熱い、貴方の視線が熱い、俺の視線も熱い。流れ出る体液はどちらのものか分からなくなる。快楽に溺れる。貴方も俺も[[rb:熱 > ねっ]]される。その熱で身体はとろとろに溶け交わり混ざり境目はなくなる。そして、ひとつになる。
4875夢。
真っ白の空間。扉がひとつ浮かぶ。手のひらを当てる。扉を押し、開ける。向こう側、小さく人の後ろ姿が見えた。迷うことなく飛び込む。そこで目覚める。いつも、いつも。
悪い気分ではない。多分、いい夢なのだと思う。
◆◆◆
刻まれた皺が物語る。幾度も冬を越してきた。
吐く息は白い塊となり宙を舞う。触れた肌は冷たかった。だが、交わるにつれ、流れる汗が熱い、触れる肉体が熱い、ふたりの吐息が熱い、貴方の視線が熱い、俺の視線も熱い。流れ出る体液はどちらのものか分からなくなる。快楽に溺れる。貴方も俺も[[rb:熱 > ねっ]]される。その熱で身体はとろとろに溶け交わり混ざり境目はなくなる。そして、ひとつになる。
ニキニキ
DOODLE恵の雨が降った 甘露が天から降り注いだ先生ありがとうございます…ありがとうございます…夜も遅かったのに…
イチャイチャ塚橋で成仏しかけ、予科練⚠️組で無事煩悩を取り戻せました!!!!
輝く7つ釦は何を映すのか…ヒイヒイ…
でも手袋は脱いであげてえ〜〜〜〜そこもこの男だから、カァ…
EO_2
MAIKING塚橋⚠️男性ニンシン表現
タロと子をこさえた和さんと、ちょっと行方不明になって心配かけて怒られるタロちゃんの小話。
ちょっと更新:6/24
安定の趣味&妄想。
普段文を書かないニンゲンなので、拙いです。本当に興味があれば。
あーでもないこーでもないをやってたらいつまでも終わらないので、ちょっとつづ更新してきます。エチも書きます(命) 3151
EO_2
DOODLE紐パン、塚橋塚「和さん、それは???」
橋「さ、最近の若者は喜ぶと、聞いて…」
塚「嬉しいですけど、誰情報ですか???」
色塗りは飽き性なので、中途半端に見えない程度が今の目標。
塚本、次は君だ。
バケツ🪣
REHABILI塚橋生存if。一か月遅れの正月ネタ。たろちゃんの家族捏造。時代考証、地域考証等怪しいので雰囲気でさらっといける方のみ。和さんは九州の生まれという事にしておいてください。 6378EO_2
DOODLE全くもって誰得、駄文。タロチャンの手のことをずっと考えて頭パンクする前に発散。生存ifで復員して3年?後くらいの設定。
和さんがタロチャンの手を愛でて、愛でられる話。
エロじゃ無いです(涙)
愛でて愛でられる太郎の手が、好きだ。
節ばって少し大きく、いつも何かで汚れていて、いつも何かを弄っている。ある日は破れた襖の修理、別の日は割れた窓の交換、壊れた扉の補強、動かない機械の整備、道具の手入れ。働き者の手だ。
その手にかかれば、器用な指で転がされ、主がヨシとして放されたものの殆どは直って戻ってくる。とても優しい手だ。
ある晩。
寝る支度をしていると、背中にぴたりと太郎がくっついてきた。
「貴方に触れてもいいですか…?」
と耳元で囁きながら、あの手が俺の腰を掴み、下腹部の輪郭を確かめる様に滑って腕を回す。もうそれだけで腹の奥が疼く自分に少し呆れる。
しかし、連れ添ってそこそこ経つ俺には分かる。この「触れる」は情交ではなく、純粋な愛撫の方であると。太郎曰く、ただただ和さんに触れたい時があるらしい。俺は愛しい年下男の腕に手を重ね、「もちろんだ」と答えた。
1064節ばって少し大きく、いつも何かで汚れていて、いつも何かを弄っている。ある日は破れた襖の修理、別の日は割れた窓の交換、壊れた扉の補強、動かない機械の整備、道具の手入れ。働き者の手だ。
その手にかかれば、器用な指で転がされ、主がヨシとして放されたものの殆どは直って戻ってくる。とても優しい手だ。
ある晩。
寝る支度をしていると、背中にぴたりと太郎がくっついてきた。
「貴方に触れてもいいですか…?」
と耳元で囁きながら、あの手が俺の腰を掴み、下腹部の輪郭を確かめる様に滑って腕を回す。もうそれだけで腹の奥が疼く自分に少し呆れる。
しかし、連れ添ってそこそこ経つ俺には分かる。この「触れる」は情交ではなく、純粋な愛撫の方であると。太郎曰く、ただただ和さんに触れたい時があるらしい。俺は愛しい年下男の腕に手を重ね、「もちろんだ」と答えた。