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    #沈清秋

    shenQingqiu

    山椒魚

    DONE邦訳分冊版49巻の幕間の話。
    分冊版48巻で語られていた沈九から尊敬も感謝もされていなかった先代峰主とはどのような人物だったのか。なぜ名付けに『秋』が与えられて、それを受けねばならなかったのか、ぐるぐる考えているうちにできた話です。
    オリジナル設定入れまくりなので、何でも許せる方向けです。
    『秋』 清静峰の先代峰主はナマズに似た中年男だった。
     否。それは少し表現として間違っていたかもしれない。彼が本当に中年と呼ばれる年齢であったかどうかは、正確には定かではないのだ。
     仙師の見た目は金丹形成の時期と修為に因る。見た目のことでよく引き合いに出されるのが幻花宮の老宮主だが、実力者であることは間違いないにも拘わらず、誰の目にも明らかな老貌であるのは、俗欲にまみれた分だけ修為を損ねた為であろうというのが口にはせぬものの大方の見方であった。
     対して、清静峰先代の人となりは俗欲とは無縁であったため、これは結丹の時期が遅かったのだろうことが窺われた。
     金丹形成には身体的素養も大きく関係する為、当人がいくら努力しようが実を結ばないものは結ばない。仙門の師弟として昇山できる者は皆その素養ありと見做された者たちではあるが、それとて当人にとって希望の持てる時期に成果が得られるとは限らず、同輩が結丹を果たす中、焦り苦しんだ末に疲弊し、才無しと諦めてしまえばそこまでの話。そうやって幾人もの弟子達が下山していくのも仙門の倣いのひとつであった。
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