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    #七風リレー小説

    sevenWindRelayNovels

    むんさんは腐っている早すぎたんだ

    DONE七風リレー小説企画 第一弾ラストになります。
    お付き合いいただいた皆様ありがとうございました!!

    (なおラストはどうしても1000文字で納められなかったので主催の大槻さんにご了承いただいて文字数自由にしてもらいました💦今後もラストパートはそうなると思います)
    七風リレー小説⑥ 一度だけ響いた鐘の音に惹かれて風真は歩を進めていく。理事長の方針なのかは知らないが目的地までの道は舗装されておらず、人工的な光もない。すでに陽は沈みきってしまっているため、風真は目を慣らしつつ〈湿原の沼地〉を進んでいく。草木の茂る中ようやく着いた開けた場所にぽつんとあるそこは、予想はついていたが建物に明かりなどついておらず、宵闇にそびえる教会はいっそ畏怖さえ感じる。……大丈夫。俺は今無敵だから。そう心で唱えた後、風真は教会の扉に歩みながら辺りを見回して声を上げた。
     
    「七ツ森。いるのか?」
     
     ――返事はない。
     シン、とした静寂のみが風真を包み、パスケースを握った右手を胸に当てて風真は深くため息をついた。あれだけ響いた鐘の音も、もしかしたら幻聴だったのかもしれない。そもそもこんな闇の中、虫嫌いの七ツ森が草木を分けてこんな場所にくるはずもなかった。考えてみたらわかることなのに、やはり少し冷静さを欠いていたようだ。風真はそっと目の前の扉を引いてみる。……扉は動かない。
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    DONE七風リレー小説①
     放課後の茜色の教室は七ツ森と風真の二人きりだった。窓際の席で、今日の当番日誌を書く風真に向かい合って、七ツ森は座り、風真の手元を見ている。粒の揃った文字が、空白を埋めていく様子は見ていて面白い。自分が夢中になっているゲームよりも、こちらを見ていたいとも思う。七ツ森の視線を感じ、風真は日誌に落としていた視線を七ツ森に向けて問う。
    「……ん? 何見てるんだよ」
    「……べつにー。カザマのことしか見てませんが?」
    「なっ……、お前学校でそういうこと言うなよ」
    「誰もいないんだからいいでしょ」
     そう言いながら、七ツ森は窓枠に頬杖をついて、窓の外を眺めている。その横顔から耳に掛けて赤いのは、斜めに傾く太陽の光の色が映っているからなのだろうか。どこかの腕の良い彫刻家が丹精込めて丁寧に削り上げたような整った七ツ森の横顔と、その彼の頬にあてた手を見て、七ツ森の手が好きだな、と風真は思った。骨の形が浮き出た肉の薄い長い指に、ラグビーボールのような楕円形の整えられた爪、手首の内側に浮き出る数色の血管も、いい。身体の大きさに見合う大きな手のひらを自分に向けて差し出し、耳元で「手、つなぐか」と言われたとき、身体の中を正しく循環していたはずの血液が逆回転したのかと思うぐらい、心臓が不穏な動きをしたのを思い出す。
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