星「星を見に行かないか?」
「星?プラネタリウム?」
「いや、山に」
「山ぁ?」
そんな風真の誘いに七ツ森は目を丸くした。
季節はもうすぐ冬に差し掛かろうとしている。朝晩の気温はとても冷える。正直に言えば寒い思いをしてまで山に星を見に行きたいとは思わない。だが、恋人からの誘いともなれば話は別。…別なんだけど…。
「ちなみに…いつ」
「今夜」
「今夜!?」
流石に急だ。驚いて固まる七ツ森の隣で風真はカバンにブランケットなどを詰め込んでいる。
「ほ、ホントに行くの?」
「ああ。…気が乗らないか?」
「や、乗らないっていうか…。カザマそんなに星好きだったっけ?」
初耳なんですケド…と思いながら聞いてみた返答は。
「別に?」
だった。
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