ArtemisSN0210
MOURNING「何か」に目覚めた二人の話ピアノ線と依存症【ウエサウ】きっかけは、そのたった一つの言葉だった。
その時、オレはいつものようにサウラーと話をしていて。どういう流れでそうなったのかは忘れてしまったが、気付けば軽い言い合いのような感じになっていた。サウラーが色々とこちらを苛立たせるようなことを言ってくるものだから、オレもつられて普段言わずにいたことまで言ってしまって。こういうことをウリ何とかと言うのだと、いつだったかサウラーが言っていたが……とにかく、それはそんな中での出来事だった。
思わず口から飛び出したその一言に、自分のことなのに何故か驚いて。
しまった、さすがに言い過ぎたなと思って、謝ろうとサウラーの顔を見た。あいつにしては珍しく、ショックを受けたような顔をしていて。それを見た瞬間ーー心臓の辺りに、何かぞわりとした感覚があった。言葉では上手く言い表せない、不思議な、……でも嫌な感じはしない、そんな感覚だ。心地良い、とも少し違うが、どちらかと言うとそれに近いものだった。
1823その時、オレはいつものようにサウラーと話をしていて。どういう流れでそうなったのかは忘れてしまったが、気付けば軽い言い合いのような感じになっていた。サウラーが色々とこちらを苛立たせるようなことを言ってくるものだから、オレもつられて普段言わずにいたことまで言ってしまって。こういうことをウリ何とかと言うのだと、いつだったかサウラーが言っていたが……とにかく、それはそんな中での出来事だった。
思わず口から飛び出したその一言に、自分のことなのに何故か驚いて。
しまった、さすがに言い過ぎたなと思って、謝ろうとサウラーの顔を見た。あいつにしては珍しく、ショックを受けたような顔をしていて。それを見た瞬間ーー心臓の辺りに、何かぞわりとした感覚があった。言葉では上手く言い表せない、不思議な、……でも嫌な感じはしない、そんな感覚だ。心地良い、とも少し違うが、どちらかと言うとそれに近いものだった。
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DOODLE間に合わなかったキスの日ウエサウ(キスはしてない)ちょっとR-15かも
午前七時の独占欲【ウエサウ】瞼越しに感じた光が、やけに眩しくて。思ったより眠ってしまったか!?と慌てて起き上がってみれば、時計の針は予想より進んでいなかった。
幸い、今日は休日だ。それを口実にして、昨晩は恋人の時間を頂戴したのだった。
視線を転じれば、彼はまだ眠りの中にいた。雪のように白い肌は、今にもシーツと溶け合ってしまいそうだ。時に自分を弄び、時に可愛らしい音を紡ぐ唇も、今はお留守番中。長い睫毛は昨夜よりよく見えるが、その奥にある瞳がこちらを見てくれないのはやはり寂しい気がした。
早く起きないだろうか、と思いつつも、眠っている恋人を起こすのは忍びないので寝顔を見つめながらその時を待つ。数分ほど経過した頃、焦がれていた二つの薄緑が姿を現した。
1000幸い、今日は休日だ。それを口実にして、昨晩は恋人の時間を頂戴したのだった。
視線を転じれば、彼はまだ眠りの中にいた。雪のように白い肌は、今にもシーツと溶け合ってしまいそうだ。時に自分を弄び、時に可愛らしい音を紡ぐ唇も、今はお留守番中。長い睫毛は昨夜よりよく見えるが、その奥にある瞳がこちらを見てくれないのはやはり寂しい気がした。
早く起きないだろうか、と思いつつも、眠っている恋人を起こすのは忍びないので寝顔を見つめながらその時を待つ。数分ほど経過した頃、焦がれていた二つの薄緑が姿を現した。
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DONE冬のウエサウ。漂白後ねえ、あたためてよ【ウエサウ】吐き出した息が、白く溶けていく。
寒い。あと一月もしないうちに新しい年を迎えようというこの時期は、一年のうちでも特に冷え込む時期だ。
寒いのは苦手なので、本当はこんな時期に外に出たくはない。では何故ボクが今わざわざ寒空の下出掛けているのかというと、それはクリスマスや年末に向けての買い出しのためだ。直前の時期というのは店が混んだり、商品の値段が高騰したりするらしいので、少し早めに買い物を済ませてしまおうという話になったのがつい数日前のことだった。
今日は平日ということもあってかどこの店もさほど混んではおらず、お目当てのものは全て手に入れることができた。というわけで、今は帰路についているところだ。
しかし、それにしても寒い。冬というのはこんなに寒いものだったのか。文字通り全てを管理されていた国で生まれ育ったボク……いや、ボクたちにとっては未だに毎日が驚きの連続だ。
2298寒い。あと一月もしないうちに新しい年を迎えようというこの時期は、一年のうちでも特に冷え込む時期だ。
寒いのは苦手なので、本当はこんな時期に外に出たくはない。では何故ボクが今わざわざ寒空の下出掛けているのかというと、それはクリスマスや年末に向けての買い出しのためだ。直前の時期というのは店が混んだり、商品の値段が高騰したりするらしいので、少し早めに買い物を済ませてしまおうという話になったのがつい数日前のことだった。
今日は平日ということもあってかどこの店もさほど混んではおらず、お目当てのものは全て手に入れることができた。というわけで、今は帰路についているところだ。
しかし、それにしても寒い。冬というのはこんなに寒いものだったのか。文字通り全てを管理されていた国で生まれ育ったボク……いや、ボクたちにとっては未だに毎日が驚きの連続だ。
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MOURNING寝る前に思いついたネタモブ部下(喋る)が登場します
照れ隠しがバイオレンスな南さんの話
付き合ってはないです カプなし
西くん南さんとネクタイ「サウラー!すまないが、ちょっとネクタイを結んでくれないか」
ウエスターの言葉に、サウラーは軽く溜め息を吐いた。
「まったく……そろそろ自分で結べるようになりなよ」
「いや、一人でもできないことはないんだが……お前にやってもらった方が綺麗にできるんだ」
「当然でしょ?ボクがキミに劣るものなんてある訳ないんだから。……ほら、貸して」
面倒くさそうな顔をしながらも、サウラーは手早くネクタイを結んでいく。
「おお……さすがだな」
「用がないなら黙っててくれる?」
「……す、すまん」
ちょうどその時、一人の部下がそこを通りかかった。
「おはようございます、お二人とも。
珍しいですね、会議の前にお二人が一緒にいらっしゃるなんて」
845ウエスターの言葉に、サウラーは軽く溜め息を吐いた。
「まったく……そろそろ自分で結べるようになりなよ」
「いや、一人でもできないことはないんだが……お前にやってもらった方が綺麗にできるんだ」
「当然でしょ?ボクがキミに劣るものなんてある訳ないんだから。……ほら、貸して」
面倒くさそうな顔をしながらも、サウラーは手早くネクタイを結んでいく。
「おお……さすがだな」
「用がないなら黙っててくれる?」
「……す、すまん」
ちょうどその時、一人の部下がそこを通りかかった。
「おはようございます、お二人とも。
珍しいですね、会議の前にお二人が一緒にいらっしゃるなんて」
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DONE西くんと南さんで七夕漂白後の話です。ちょっと自己解釈あり
CP要素はないつもりですが普段カプを書いてるのでそう見えるかも
ウエ+サウで七夕七月七日。
今日はラビリンスでは初めての、七夕祭りの日だ。
星空の元、人々は自分の願いを書いた短冊を笹に飾ったり星を象ったお菓子を食べたりと思い思いに新しい文化を楽しんでいる。その様子を、サウラーは少し高い場所から見つめていた。
「サウラー!願い事は書けたか?」
祭りの会場から戻ってきたらしいウエスターに声をかけられ、サウラーはそちらへ顔を向ける。
「……ううん、まだ」
手元の短冊には、まだ何も書かれていなかった。
「お前のことだから、難しく考えすぎているんじゃないか?願い事と言っても、そんなに大層なものじゃなくて良いんだぞ。美味いドーナツをいっぱい食べたいとか、もっと筋肉をつけたいとか」
「……それ、キミの願いでしょ?」
2331今日はラビリンスでは初めての、七夕祭りの日だ。
星空の元、人々は自分の願いを書いた短冊を笹に飾ったり星を象ったお菓子を食べたりと思い思いに新しい文化を楽しんでいる。その様子を、サウラーは少し高い場所から見つめていた。
「サウラー!願い事は書けたか?」
祭りの会場から戻ってきたらしいウエスターに声をかけられ、サウラーはそちらへ顔を向ける。
「……ううん、まだ」
手元の短冊には、まだ何も書かれていなかった。
「お前のことだから、難しく考えすぎているんじゃないか?願い事と言っても、そんなに大層なものじゃなくて良いんだぞ。美味いドーナツをいっぱい食べたいとか、もっと筋肉をつけたいとか」
「……それ、キミの願いでしょ?」
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MOURNINGウエサウと「ゴム」の話R-15くらいかも
無題「サウラー。今から買い物に行くんだが、何か買ってきてほしいものはあるか?」
「そうだね……ゴムを買ってきてもらえると嬉しいかな」
「ごっ……!?」
サウラーの発言に、ウエスターは驚いて言葉を詰まらせた。
(これは……そういうアピールなのか……!?)
どう答えたものかとウエスターが考えていると、サウラーが再び口を開く。
「さっき髪を結ぼうとしたら、切れちゃって」
「……あ、ああ。なるほど」
「だから、すぐに切れないような太めのヘアゴムを買ってきてくれるかな」
「分かった、探してみよう」
(……なんだ、オレの勘違いだったのか)
口に出さなくて良かった、危うく一週間くらいは無視されるところだったとウエスターは心の中で胸を撫で下ろした。サウラーは一度機嫌を損ねると長いので、不用意なことは言わないのが吉なのだ。……とはいえ、怒った顔のサウラーも可愛いと思ってしまうのがウエスターなのだが。
684「そうだね……ゴムを買ってきてもらえると嬉しいかな」
「ごっ……!?」
サウラーの発言に、ウエスターは驚いて言葉を詰まらせた。
(これは……そういうアピールなのか……!?)
どう答えたものかとウエスターが考えていると、サウラーが再び口を開く。
「さっき髪を結ぼうとしたら、切れちゃって」
「……あ、ああ。なるほど」
「だから、すぐに切れないような太めのヘアゴムを買ってきてくれるかな」
「分かった、探してみよう」
(……なんだ、オレの勘違いだったのか)
口に出さなくて良かった、危うく一週間くらいは無視されるところだったとウエスターは心の中で胸を撫で下ろした。サウラーは一度機嫌を損ねると長いので、不用意なことは言わないのが吉なのだ。……とはいえ、怒った顔のサウラーも可愛いと思ってしまうのがウエスターなのだが。