Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    #イドアズ

    idoas

    三重@ポイピク

    DONEイドアズで、勝手に子供作って育ててたアズくん話その③。今回はジェ視点。子供達の出番は少なめで、イドアズ3人の会話が中心。例によって人魚の生態捏造が多分に含まれます。人魚という種族は個体数が少ない。これはツイステッドワンダーランドの中でも常識の1つであり、人魚達自身も重々自覚している。元より過酷な海という環境で生まれ育つというのは困難な事だ。ましてツイステッドワンダーランドの海は、ハロウィンの時期になれば亡霊達がさ迷うこともある、ある種異界に等しい場所である。よって生存率は高くはない。身体的に屈強な種を元にした人魚達でも日々生存戦略を続けている。故に人魚は基本として多産な種族であるが、それ以上に発達したのが、性別の区別なく子を産むことができる魔法であった。
    過酷な環境の中、どうにも人魚は雄が生き残ることが多い。いかに多産とはいえ、人魚にも卵を産む、あるいは胎から産む適齢期というものが存在する。適齢期の雌が絶えず存在する種などおらず、必然的に雄も産むことが出来る魔法が発達した。以上のような経緯から、人魚が子供を作るにあたって、同性・異性の隔たりはないに等しい。特に魔法士を名乗ることのできる人魚であれば尚更である。

    「──つまり、あの子達は間違いなく、お前達と僕との間に出来た子供です。卒業間際の監禁沙汰は大いに役立ちました。お前達があそこまで捨て身に 7664

    三重@ポイピク

    DONEイドアズで、勝手に子供作って育ててたアズくん話その②。今回はフロイド視点。例によって海の中、人魚に関して捏造多数。前回の話を読んでいないとわかりにくいです。「アズールんとこ行こうかなぁ」

    薄暗い深海の中、フロイド・リーチは呟いた。今この場に居ない片割れのジェイド・リーチの耳に入れば、他からは慇懃にして陰湿と評判の笑みに陰湿さを更に足してフロイドの行動を阻止しようとするだろう。けれどフロイドとしては、ここ最近の自分にしては珍しいほど真面目に仕事をこなしている。今日だって、本来の予定なら南方の海域での仕事をこなしていたはずなのだ。それを予定より早く終わらせ、こうして慣れた海まで戻ってきているのだから、褒めてもらいたいくらいである。仕事についてきた部下達を持ち前の早さで振り切って泳ぐくらい許されるべきだし、アズールと久々に会う約束を取りつけても許されるはずだ。
    深度が深くなるにつれ光が遠ざかり暗くなる海の中、ぼんやりとフロイドは考える。ちなみに彼の希望だが、片方は既に叶えられている。本来なら5人程度の部下と共に動くのが常だが、どうにも1人になりたい気分のまま振り切って単独行動をしているのが現在だった。

    「先に連絡しないと会ってくんないしなぁ、陸に繋がる電話も家だし……」

    頭上から僅かに降り注ぐ光の代わりに自分の発光体を輝かせながらフロイド 7394

    三重@ポイピク

    DONEイドアズで勝手に子供作って育ててたアズくん話。今回は子供3人とシュラウド兄弟とアズくんのみ出てます。双子は次出す。「ヴェール、ジェフリー、はやくしまって!」
    「アラーナ、入んないからそっち入れてー」
    「僕のもお願いしますアラーナ」
    「いらないものが入ってるからでしょう! こっちに入れるな! いらないものを持っていくな!」

    幼さゆえの甲高さが抜けない声を荒げるアラーナと呼ばれた少女を前に、怒られた2人の少年達は平然とした顔でスーツケースの中に手を突っ込んだ。少年2人のスーツケースは、彼らが言った通り荷物で溢れ返っている。洋服は行きと帰りの分で2着あれば十分足りるので、それ以外のものは殆ど玩具だ。すでにしっかり閉じられたスーツケースを横に置く少女は中身を見て、金色の大きな瞳をきっと鋭くしても愛らしさが目立つ顔を歪ませ、2つに結わえた銀色の髪を揺らす。その動きに、右耳にのみつけられた真珠のピアスが白く輝いた。セーラー服イメージのワンピースを着た彼女は、仁王立ちして少年達を見下ろす。

    「なんでそんなにおもちゃを持っていくんですか、減らしなさい」
    「どれ持っていこうかなぁって思ったら全部持っていきたくなった。んーでもなんかこれいらないかも……」
    「ジェフリー、海に行く頃にはあきちゃうんじゃないですか?」 6559