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    tang_brmy

    @tang_brmy

    画像小説を移したのは健全なおはなし。
    気まぐれに書いたえろいのはフォロ限です。

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    tang_brmy

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    新開さんお誕生日ホームボイスから連想した、新衣都/戦衣都の小話。
    CPは成立していない状態であのセリフを言うとしたら……の妄想。泥酔している訳ではなくとも酔っ払いの思考になっている新開さんを見たかっただけ。

    #bymy男女CP
    #新開戦
    #戦衣都
    #新衣都

    buzzed サプライズは、するのもされるのも得意じゃなくて――弥代がそんな風に切り出したのは、戦の誕生日パーティ延長戦の、飲み会の最中だった。

    「プレゼントどうしようかなって悩んだんですけど……新開さんの好みもあるし、リクエスト聞いてからが外れないかなと。何か欲しいもの、ありますか」
     戦は既に何本目か数えるのを止めた缶ビールを空けたせいで、程良くアルコールが回っている。一方の弥代もゆっくりとしたペースで飲んでいても普段よりも肌を赤らめているし、纏う空気も口調も心なしかふわふわしていた。

    (欲しいもの……つってもなぁ……)
     それなりに欲を持ち合わせているから、欲しいものもそれなりにある。しかし、決して長くはない付き合い弥代にプレゼントとして強請るとなると、どうしてなかなか難しい。
     戦が悩んでいる間、彼女は興味津々といった様子でこちらを見上げてくる。戦の答えを待つ無防備で楽しそうな姿の、その僅かの気安さが妙に女らしく見えて、戦の頭にノイズを走らせた。

     トレーニングの面倒を見ている時よりもふたりの距離は開いていて、手がぶつかったとか肌がふれたとか、接触があった訳ではないのに、喉がカラカラする妙な感覚を覚えた。
    (コイツが、なんて……な)
     決して長くはない付き合いだが、彼女の誠実なところも、思慮深いところも、ここぞという時に思い切りが良いところも、好ましく思っている。しかし、それは女としてではなく同僚として、ひとりの人間としての話だ――と今の今まで思っていた。
     一瞬、頭に浮かんだバカみたいな欲は、酒が入った気の迷いだと言い聞かせ、煩悩を振り払うかのようにビールを呷り、口の端を上げて笑う。

    「プレゼントに欲しいもの? 言ったら気使うだろ、言葉だけですっげえ嬉しいよ」
    「気を使うような何かが欲しくていらっしゃる、と……。あ、まだ見ぬ珍しい味のプロテインとですか?」
    「ハハッ、それは普通に見掛けたら教えてくれ」
    「えぇ……プロテインじゃないんですね……」
     じゃあ何だろうと呟いて悩む弥代と、目を細めてそれを見る戦。「欲しいもの」に含ませた他意は、彼女が気付く前にビールと共に飲み込み、その日はもう現れることはなかった。
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    👏☺🙏👏🙏👏🙏☺👏🙏
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    tang_brmy

    PAST吏来さん、お誕生日おめでとうございます🥃
    お誕生日十日くらい前のとある夜の、立衣都/吏衣都のおはなし。「好きになりそう」と思う吏来さんと全く意識していない衣都ちゃんだけど、前途ある二人だといいなという願いを込めて。
    どうしても夏ボイスを組み込みたくてこうなった。本気になった吏来さんにたじたじの衣都ちゃんもいつか読みたいですね。
    ⚠️カドスト読む前に書いたので公式との齟齬があります
    admire 冷房の効いた涼しい自宅に引きこもっていたい――心の底からの願いも虚しく、どんな猛暑日でも仕事があればそうも行かない。そして酷暑の中、せっかく重い腰を上げて外に出たのに、仕事を終えて真っ直ぐ帰宅するのも味気ない。
    (いつものバーって気分でもないし、久し振りにAporiaに行くとしますか)
     確実にミカは居るし、運が良ければ衣都も居るかも知れない――そんな考えが脳裏をよぎった数十分後。思い浮かべた顔とは、予想とは違う場所で出会った。

    「あれ、衣都」
    「吏来さん……! お疲れ様です」
     Aporiaが入居するビルのエレベーター。そこから降りて来たのは、会えたらいいなと思っていた相手で。名前を呼べば、不意をつかれたように大きな目をほんの一瞬だけ更に丸くした彼女は、こちらを見上げて挨拶してくれた。
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    戦衣都

    味のある大根について
    辛さが喉元通り過ぎれば(そよいと) 七……八…………。
     バーベルを持ち上げる腕が、回数を追うごとに重たくなってくる。
    (オーソドックスなのは煮物かおでんだろうか)
     九…………。
     視界の端にトレーナー、もとい新開さんの姿を認める。余計なことを考えてしまうのは、目の前にのしかかる負荷からの逃避なのだろうか。
    (けれど、この時期ならもっと、さっぱりしたものが食べたい。となると)
     …………十。
    (さっぱり…………大根サラダ?)


    「よし、休憩」
    「ふう……」
     取り敢えずの結論が出たと同時にカウントが終わり、十キロのバーベルを所定の位置に戻す。仰向けの体勢のまま私は、天井の壁の無機質な模様の一点をぼんやりとみつめていた。
     当初は五キロほどで息も絶え絶えだった私が、今は倍の重量をそれらしく動かせる程度には進歩している。とはいえまだまだ初心者の域を出ない重量に違いはないし、まだまだトレーナーもとい新開さんのサポートは必須だけれど。いつものジム内、ほぼ貸し切り状態で行われるトレーニングは定期的に続けている甲斐あって、微々たる成長とともに「ある」寄りの体力に近づきつつある。
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    (けれど、この時期ならもっと、さっぱりしたものが食べたい。となると)
     …………十。
    (さっぱり…………大根サラダ?)


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    「ふう……」
     取り敢えずの結論が出たと同時にカウントが終わり、十キロのバーベルを所定の位置に戻す。仰向けの体勢のまま私は、天井の壁の無機質な模様の一点をぼんやりとみつめていた。
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    戦衣都
    8月8日、蝶々の日に寄せて。
    加えて、翻訳業務をこなす新開さんが見たくて捏造したり、ヘキを詰め込んだりした結果誕生した代物

    《like butterflies in my stomach.》――
    (落ち着かないの。身体の中で、蝶が飛び回っているみたい)
    蝶は目覚めている(そよいと) デスクトップPCの煌々としたブルーライトに照らされながら手元の資料と睨み合う。

     誓さんのアシスタントとして請け負っている翻訳業務。今回は珍しく小説――それも、恋愛ものの内容だった。
     通常は論文や学術書などの硬い内容が多く、知識もボキャブラリも不十分な箇所が散見された。全体の進捗は想定よりも遅い。ジャンルを問わず同じように仕事をしているつもりだが、ままならないものだ。
    (……休憩すっか)
     ある種の諦めと共に区切りをつけて、ブルーライトカットの眼鏡を外す。今時らしいデザインのラウンドレンズ。細い銀縁のそれは、数ヵ月前に弥代が誕生日プレゼントとして選んでくれたものだ。
     指先でテンプルを弄びながらちらりとモニターに目をやると、目元から頭頂部に刺さるような痛みを覚えた。必然的に眉間に皺を寄せる。先ほどまでは(何だったらこいつを導入するまでは)気にならなかった刺激は、どうやら目に毒だったらしい。
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    tang_brmy

    PAST静さんSR『緑に癒されて』の絵のシチュを捏造。Floristイベ以降ジュンブライベ以前の、とある平日のカプ未満な静衣都のおはなし。静さんがあれこれ考えているだけですが、未来の二人の何かきっかけになった日かも知れないと妄想。衣都ちゃんは平均身長(158cmくらい)をイメージしているので、フラットシューズだと静さんに見下ろされる身長差かなという妄想です。カプ未満の手探りな時期も好き。
    green 平日の午後三時。昼食には遅く、終業後には早いこの時間だが、今日の静は後者だ。
    (……体が固まってる)
     イレギュラな案件で、日が昇る前の早朝からずっとパソコンと向かい合っていたせいで、目も肩も重く、軽く伸びをしただけで体のそこかしこからパキパキと音が鳴る。
     仕事中に絶えずコーヒーを飲んでいたからで、起床時間の割に眠気はない。作業の片手間にシリアルバーを齧っていたお陰で空腹感もないが、窓の外に目を向ければ抜けるような青さに澄み切った空で、昼寝をするのもこのまま引きこもるのも勿体なく感じる。
    (腹は空いてないけど……外、出るか)
     ふう、と息を吐くと机に両手をついて立ち上がり、もう一度グッと伸びをしてから身支度を整えるべく動き始めた。
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