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    うず潮

    @uzushiono16

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    橙は箱推しなれど、ダイレオ強火勢。そしてダイもレオもポプも、それぞれが大好きな、小説書きです

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    うず潮

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    5/20ロモそくで企画したあきな様(@akina_daidai)とのコラボ折り本『ただいまの贈りもの』の小説部分です。ダイ君を出迎えるレオナ視点のお話。
    もともとはあきなさんがツイッターにあげたイラストが素敵で文章を書かせていただいたのが始まりでした。

    #ダイレオ
    dileo
    #ただいまの贈りもの

    ただいまの贈りもの「あら、ダイ君! おかえりなさ……」
    言い終わる前に抱きすくめられた。ぎゅうっと力強く。
    「ちょ……ちょっと、どうしたの? ダイ君……」
    「…………」
    ダイ君は何も言わないであたしを無言で抱きしめたまま。頭に頬を摺り寄せているのがわかる。

    なにかあったのね、きっと。
    時折ダイ君は、やるせない思いを胸にかかえたまま帰ってくることがある。そんな時はたいてい、こうして無言で抱きしめられる。言葉として発することもまた彼にとって負担になるのだろう。

    だからあたしも何も言わない。
    あたしの言葉を求めている時は、ダイ君は言葉や眼差しでなにかを伝えようとしてくれるから。
    今はきっとこのまま彼の腕の中にいるのが一番。あたしを抱きしめることが、なんらかの癒しになるのなら、それでいい。
    ダイ君の背中に両腕を回す。背中をポンポンと優しく叩いたりさすったり。あたしはここにいるよって伝わるように。
    それに応えてダイ君はあたしを抱きしめる力を強め、二人の間の距離はさらに縮まった。あたしはそっとダイ君の胸に頬を寄せる。

    あたたかい───。
    ダイ君の胸からは鼓動が響いてくる。

    この温もりが、あたしはなによりも嬉しい。
    こうして無事に帰ってきてくれた。あたしを求めてくれている。
    それだけであたしの胸はいっぱいになる。

    「ダイ君。おかえりなさい」
    そう囁くように声をかけると、ダイ君は腕の力を緩めて体を少し離した。やっと顔を見合わせることが出来たわ。
    すこし照れくさそうなダイ君の表情。だから、あたしはいろんな気持ちをこめて彼に微笑みかける。そうして、ようやくあたしの大好きな笑顔をダイ君は見せてくれた。

    「ただいま、レオナ」
    ちゅっと頬にキスの贈り物をくれる。周りに人もいるのに──なんて今更のことかしら。

    「ありがとう──。きみがいて、良かった」

    うん、そうね。あたしも同じ気持ちよ。

    きみが帰ってきた。ここにいる。
    それだけで、あたしは泣きたくなるくらい幸せになれるの。
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    うず潮

    PAST高校生の頃に書いたドラゴンボールの二次小説です。
    セルゲーム直後のチチさんのお話。カプ色は濃くないですが悟チチです。
    Xでのフォロワさんとのやり取りから過去の作品が懐かしくなり掘り起こしてしまいました。
    取り繕ってもしょうがないので、あえて表現はほぼそのままです(分かりにくいところやおかしな表記は直しました)。
    高校時代の作文という観点で、拙さはお目こぼしいただけますとありがたいです😅
    LAST WISH ──最後の伝言── 初夏の風が木々の葉を揺らし、さやさやと音を立てている。そんな戸外の様子を、チチは窓からぼんやりと眺めていた。
     まだ本調子に戻り切らない身体をソファーに埋もれさせながら。今は亡き人のことを想いながら。

     悟空の死から、早や半年以上の時間が過ぎていた。
     もう悟空を想うとき、彼女の心に哀しみはない。その代わりに、懐かしさと愛しさによって満たされていくのが彼女自身にもわかる。

    ​ しかし、こう想えるようになるまでに、一体どれくらいの涙を流したことだろう──。


      *  *  *


     悟空の死を悟飯から聞かされた瞬間、チチの頭の中は真っ白になった。

    「……うそだろ? 悟飯ちゃん……何、嘘言ってるんだ……?  悟空さが死んだなんて、そんなバカなこと……」
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