「お前諦めたりしねェの?」
「何をだ。」
「シンラ。」
「……」
「アイツ、新門大隊長が好きなんだろ。」
「そうだな。」
「辛くねェのか。」
「だからといって諦める理由にはならない。」
「……お前マジで諦め悪いよなぁ。」
「当たり前だ。じゃなきゃ追いかけてこねェよ。」
「何年?」
「10年。」
「えっ、10年ってことは13の時からシンラのことが好きなのか!?」
「ああ。一目惚れだからな。」
「すげェな……」
「騎士王だからな。騎士王は一途なんだ。……もうアイツ以外を愛すことなんて出来ない。」
「……」
「アイツが紅丸と結ばれようが俺はアイツを愛し続けるぞ。」
「……純愛だな。」
「おう。」
「シンラには悪いけど俺はアーサーを応援するよ。」
「なんでだ。」
「こんな一途なところ見せられたら応援したくもなるって。」
「そうか。でも俺は行動を起こすつもりはないぞ。」
「はァ?!行動しねェと気づいてもらえないぞ!!」
「少しでもアイツの恋が実る可能性があるなら俺は行動しない。アイツが失恋したら押しまくると決めてる。」
「お前……」
「俺はアイツが幸せならいいんだ。まぁ俺が幸せにしてやれるならそれが一番いいんだがな。」