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    理銃のスケベばっか考えてます
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    銃兎が吸う煙草をめぐるただのいちゃつき話 やまも落ちも意味もない

    #理銃
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    #SS

    くちさびしい「銃兎は思ったよりもたくさん煙草を吸うのだな」
    煙草を吸い殻入れに押し付けている銃兎の横で、理鶯はぽつりと呟いた。
    緩み切った体と頭のせいで、その言葉への反応が遅れてしまった。銃兎は慌てて理鶯の周りの空気を手で払う。
    「すみません、気が付かなくて」
    「気にするな、思ったことを口にしたまでだ」
    理鶯とは、今日一日行動を共にしていた。一緒に任務をしていた、というわけでもなく、ただたまの休みが重なったから、一緒にいてみようという話になっただけだった。
    朝起きてから、日中も、夜も、これから眠るまでも一緒。もしかしたら、二人きりで過ごした時間で言えば最長記録かもしれない。
    今まで、理鶯の前ではあまり吸わないようにしていた。だが丸一日となればどうしても吸いたくなってしまうし、一度吸い始めればあっという間にいつものペースになっていく。
    いつでも自然体でいられる彼と、自宅のソファでゆったりとくつろぐ。そんな状況で、煙草に手を伸ばさずにいられるはずもなかった。
    押し黙った銃兎は、彼の目には機嫌を損ねたように映ったらしい。理鶯は申し訳なさそうに眉を下げ、そっと体を寄せてきた。
    「新しい銃兎を知れて嬉しかっただけだ。だから、機嫌を直して欲しい」
    まるで甘えるかのように、彼は髪に唇を寄せた。さらさらと弄ばれる感触は、それはそれで心地いい。
    「不機嫌じゃないですよ。その、あんまり煙たいのも、嫌かなと思って」
    「銃兎は優しいな。この匂いは、小官にとっては銃兎の香りそのものだ。嫌いになどなるものか」
    そういって、彼は隣に座る銃兎の体にそっと顔を近づけた。耳元で匂いを嗅ぐ音が聞こえ、少しだけ恥ずかしくなる。
    「あ、なたって人は、本当に……」
    うっとりした視線で直球の言葉を受けてしまえば、顔は一瞬にして熱を持つ。火照った体をごまかすように、大げさに動いて煙草を引き寄せた。吸ってもいいか、と理鶯に問うと、彼はこくりと頷いた。
    先端に火をつけ、強く吸い込む。肺に煙が満たされると、先ほどまでのドキドキが少しだけ隠されたような気がした。背もたれに身を預けると、そっと理鶯が体を寄せてくる。
    「美味いか」
    「美味くはないです。でも、少し落ち着きます。貴方が隣にいるから、余計に」
    理鶯とは反対側に煙を吐き出し、覗き込む顔を目だけで見上げる。ちょうどいい身長差のお陰で、肩口に頭がすっぽりとはまってくれる。肩にすり、と擦り付けてみると、そっと頬を添えられる感覚がした。
    「どんな時に吸いたくなる?」
    ゆったりした声。その小さな問いかけは、もしかしたらこの距離でないと聞こえなかったかもしれない。低く響くそれは、銃兎の体を優しく包み込んだ。
    「イライラした時。あとは……仕事がひと段落した時。ああ、あと口寂しい時なんかも咥えてますね」
    なあんて、と茶化そうとした唇は、次の瞬間にはもう自由を失っていた。顎を引き寄せられて、視界全部が理鶯でいっぱいになって、唇全体があたたかい感触で満たされる。
    「ん、んんっ……ふ、」
    「んん……っ」
    しっかり唇を吸われて、なんならびっくりしている間に舌まで捕らわれて、なんだか気持ちがよくなってきて。厚ぼったい舌が、口の中をゆったりと回遊していく。
    一瞬だったかもしれないし、かなりの時間だったのかもしれない。心地よさが体にしみこんでいく頃に、ゆっくりと唇が離された。眼前に広がる表情には、なぜか自信に満ち溢れている。
    「では、二人きりの時には必要ないな。すぐにキスで満たしてやれる。寂しくなる暇など与えないほどにな」
    まっすぐな言葉と、情熱的な視線。体の芯が、かあっと熱くなっていくのがわかる。
    ああもう、こいつはいつもそうやって俺の心をかき乱す。それを嬉しいと思っている自分も、きっと相当こいつに惚れてしまっているんだろう。
    恥ずかしさと、嬉しさと、あとちょっとの下心。もう短くなった煙草をもみ消し、銃兎も不敵な微笑みを返す。
    「あーあ、半端なキスをされたら、もっと寂しくなってしまいました」
    「それは事だな。小官が責任をもって対応しよう」
    二人見つめ合い、どちらからともなく笑いが込み上げる。くすくすと笑う唇を、理鶯は優しく攫ってくれた。
    首筋に手を回し、何度も唇を啄んでいく。ちゅ、ちゅと幾度か音を立てて吸い付くと、それに応えるように舌が割り込んできた。
    「ん、んっ」
    「はあ、んむっ……」
    「ン、じゅうと、ひとつ、聞きたい」
    キスの途中で、理鶯が問いかける。盛り上がり始めた銃兎は、熱を込めた視線でその先を促す。
    「なんですか?」
    「喫煙者にとって、非喫煙者の舌は甘く感じると聞く。銃兎はどうだろうか」
    小官の舌は、甘いか。大真面目な顔で、なんと可愛い質問をしてくるのか。銃兎は思わず吹き出してしまった。何がおかしいのか、と言いたげに曇り始めた頬を優しく撫でる。
    「理鶯がもっとキスしてくれたら、わかるかも」
    そう言うと、理鶯は返事をする代わりに再びキスを再開させた。唇を何度も啄み、舐め、軽く歯を立てる。それはどこか控えめで、じれったい。まるで、自分で欲しがってみろと言わんばかりに、ただ舌先で表面をなぞるばかりだ。
    いつもよりも意地悪なそれに、銃兎も乗ってやることにした。自ら理鶯の舌を引き寄せ、じっくりと味わう。それは確かに甘かったが、きっと味覚だけの問題ではないのだろう。
    指先で、理鶯のうなじを撫で上げる。それを合図に、理鶯は銃兎を抱き寄せた。舌が口内を隅々まで蹂躙し、大きな手のひらが頭を抱え込む。感じていたもどかしさが一気に満たされ、心拍数が跳ね上がっていく。
    互いを激しく求めあいながら、ゆっくりとソファに身を沈めていく。すっかり体が横に倒れると、理鶯は一度唇を離した。鼻先が触れ合う距離で、二人だけの言葉を重ねる。
    「どうだ、わかったか?」
    「ん、もっと」
    「わがままだな。だが、そんな貴殿も悪くない」
    きっと今夜も、甘くて濃厚な時間に違いない。それこそ、寂しさなど少しも感じる暇もないような。
    これからの時間に思いを馳せながら、二人は何度も唇を重ねたのだった。
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