『君となら何処までも』「ねえ、俊輔くん! たまには恋人らしいことしようよ!」
私は俊輔くんの部屋のソファに座り、ちょっと拗ねた口調で言う。付き合って数ヶ月、俊輔くんはカッコよくて真剣で、ロードレースへの情熱は本当にすごい。でも、恋人としては…ちょっと物足りないのだ。
「恋人らしいって、何だよ。具体的に」
俊輔くんはベッドに寝転がり、クールな声で返す。手には自転車雑誌。うーん、その真剣な顔は大好きだけど、今は私の話を聞いてよ!
「ほら、手をつないで歩いたり、デートっぽいところに行ったり! いつも自転車のことばっかりじゃん!」
私の言葉に、俊輔くんは眉を上げて雑誌から顔を上げる。
「別に、俺は○○と一緒にいられればそれでいい。わざわざ何かしなくても…」
2401