見回りなんとなく桜に会いたくなって。会えたらいいな、会えなかったらさぼてんのパンでも買って帰ろう。そう思いながら十亀はまこち街へと向かっていた。
街に着いて、ふらふらと歩いていると顔見知りになったお店の人たちに話しかけらる。
「今日は桜くんと一緒じゃないんだね」「桜くん今日見回りしてたよ!」と桜情報を何故か報告され、気が付いたらお店の人から渡されていたコロッケをもぐもぐと食べながら歩く。
桜とよく一緒にいることを覚えていてくれるからだろう。
よその人間だというのに、しかも獅子頭連のスカジャンを着ていてもビビられない。なんなら気軽に話しかけてくれる街の人達にぎこちなくも挨拶をしながら、十亀は会えるかどうかを運に任せて商店街を歩いていた。
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