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    YNKgame

    本名:𝕭𝖗𝖞𝖆𝖓米子。20↑。
    書きかけとか試作とかを投げる予定。反応くれたらうれションして走り回ります。

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    ルビコン基地のメガファームで農業用MTを駆るフロイトの話

     特殊なビニールシートに包まれた広大な人工農場は、寒冷化したルビコンにあって常に植物の育成に最適な温度が保たれている。
     アーキバス、ルビコン基地に勤める全職員の食糧生産を賄う開発農産部のメガファーム内では、太陽光を模した人工光の元、せわしなく農業用MTが働き、いつだって人手が足りないほどだ。
     だが今日ばかりは少々事情が違う。
     手元の端末に表示された成長指数と収穫予想数から顔を上げて、農産部職員は1機のMTを見つめた。

     両肩にはバズーカ……ではなく、農薬散布用ドローンを2機従えたそのMTは勝手知ったる鮮やかな動作で広い農地に、効率よくかつ素早く農薬を散布していく。
     繁忙期や人手不足の際にどこからか連れられてきては手助けをしてくれる乗り手のことを、職員は良く知らない。
     どうもこのメガファームを仕切る農産部第2課課長の身内であるらしいが、そのこと以外に知っているとすれば、ドローンもMTも驚くほどうまく扱うということだけだ。
     だが第2課課長が某星メガファームの出身であることを考えれば、農業用MT等の扱いに長けるのも納得がいく。
     実際課長その人のMTの腕も、かなりのものだ。

    「今日もうまいなあ。見てて気持ちがいい」

     最適化された作業は見ている者のストレスを解消する作用があるらしいが、あのMT乗りの動きはまさしくそれだと職員は思う。
     だがこうして度々駆り出されてくれるということは、普段は割と暇な部署にいることが予測され、職員はため息をついた。AC部隊に行けば、ヴェスパーの番号付きとは言わずとも、それなりの成果が出せそうなものなのに。
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