僕らはバディ うぅ、という低い唸り声がカーシーの喉から溢れてくる。彼のつかんだドアノブが重く軋んだ。
一日の大半を過ごしているといってもいい研究室に戻ってきても尚、カーシーの表情は険しかった。納得がいかない、とでも言いたげに、鼻面には深いしわが寄せられている。
「はあー、つっかれた。なあカーシー、紅茶でも淹れてくれねえか」
ぐしゃりと顔を歪めている彼のそばを通り抜け、レイヴはソファへどかりと腰を下ろした。拳を握りしめて棒立ちになっているカーシーへ視線をやると、こっそりとため息をつく。
「なあ、紅茶。この前ジャンバヴァンが持ってきた茶葉があったろ」
「うう……はい……まだありますけど……」
再三の催促を受け、カーシーはしぶしぶと言ったように作りつけのキッチンへと向かった。ティーポットを温めるべく湯を注ぎ、その間にカップや茶葉の用意をする。
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