時系列的にはAnotherエンド数か月後くらい。
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「……ルーク、縮んだ?」
「いや、君の身長が伸びたんだろ!?」
さすがに僕もまだ縮む年齢じゃない……ないよな? などと慌てているのは、数か月前にリカルドに戻ったはずのボクの「ヒーロー」、ルークだった。詳細は知らないけれど、なんでもナデシコさんに急に招集されたらしい。
ルークに会えて嬉しい反面、まだ笑顔で会える心の準備もできてなかったから、どんな顔をしていいものか口ごもっていた。そんな時、ふとボクがルークへ向ける視線が前より下がっているような気がして。
そして冒頭の言葉に戻る。ルークは「いやぁ、確かに前から僕よりシキのが大きかったし……」などうんうん唸っている。
変なこと言っちゃったな、とか、どう反応したらいいんだろう、とか、おろおろしていたらルークはぱっと顔をあげた。
「……というか、シキの背筋がちょっと伸びたのもあるんじゃないか?
あははっ、元気そうだし、前を向けてるみたいでよかった」
にこ、と屈託のない笑顔をむけられる。ボクと手を繋いでくれた時みたいな、まぶしい笑顔。心臓から胃くらいにかけて、きゅうっと絞られるような感覚を覚える。あの時みたいな涙が零れてしまうのとも違うし、不快ではないけど、ずっと胸がざわざわするような感じ。
あんなにもアナタを揺るがす大きな事があったのに。ボクはそれに関わっていたのに。それでも手を差し伸べてくれて、ボクを見てくれて、ボクとつながってくれるルーク。そんなアナタだから、ボクは……
ああそうか、これはきっと――
「……シキ、それ、どんな感情だ……?」
「……内緒」