ゴロゴロと喉を鳴らす猫を、アイメリクが膝の上で優しく撫でている。平和な休日を象徴するような光景を、隣で私も微笑ましく眺めているけれど。
いいなあ――心地よさそうな猫が少し羨ましいだなんて。言えない本音を隠したままでいたら、猫を撫でていたアイメリクの手が止まる。どうかしたのだろうかと首を傾げた瞬間、彼の手が伸びてきて今度は私の頭を撫で始めた。
「こうして欲しかった?」
「なん、で………!」
「いいなあと、声に出ていたからね」
嘘でしょと愕然とすると同時に、しばらくこのままでいさせて欲しいなんて思う私はワガママなのだろうか。