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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    蒸しパン キッチンにて料理をしていた琥珀、ふと、琥珀の影がゆらゆらと揺れたかと思うと中からサクリが出てきたが、料理の数に黙っていた。
    「……多くないか? 毎回思うけど」
    「エリーさん俺より大きいし、灰純も食べるんだろ。どうせこっちにもフレイとリヒトいるし」
    「ふぅん」
    そういうとリビングに置かれているソファに座り、いつの間にか持ってきていたのか本を開くと読み始めたサクリ。今日はフレイがいないと知っているからか堂々と読んでいた、そんな様子に笑いつつ料理をしているとリビングの扉が開いた。

    「え、あ、サクリさん……」
    部屋に入ったのはリヒトだった、リヒトもリビングで本を読もうと思ったのだろう。ソファに座っているサクリを見て思わず固まっていた。一応サクリの隣は空いているが、リヒトが座る可能性は低かった。リヒトはチラリ、と琥珀を見る。
    「……」
    琥珀は大丈夫だからと言わんばかりの表情をリヒトにする、リヒトはおろおろと琥珀とサクリの顔を見合わせて恐る恐る歩き、そっと音を立てないようにソファに座って本を読む。
    サクリはリヒトには何もしないことを琥珀は知っていた、現に何度か高い所のものを取ってくれたとリヒトから聞いていたし、リヒトから頼まれてサクリにお礼の手紙を渡している。フレイには容赦なく無人島に飛ばしたりしているが、琥珀はフレイが悪いため黙認することにしていた。
    琥珀はそうだ、と思い浮かんだものを作るため、食材があるか確認した。目的の材料があったため琥珀は手際よく作り始める。

    琥珀が何か作っている横で、リヒトは横目でサクリの読んでいる本のタイトルを見ていた。そのタイトルは丁度リヒトが読みたかった本だったのだ、琥珀からサクリに貸していると聞いていたため、帰ってきたタイミングで読もうと思っていたのだが、リヒトは気になって思わずちらりと見ていた。
    サクリの事はまだ少し怖いが、何度か手助けをしてもらっていたため、フレイが言うほどの人ではない気がしていたのだ。フレイみたいに無人島に飛ばす様子もない、琥珀がサクリの事を信用する理由が何となくわかった気がした。

    流石に何度も見るとサクリも集中して読めないかもしれない、リヒトは慌てて本に目線を戻した時、サクリが声をかけた。
    「おい」
    「え、は、はい……」
    もしかして見すぎただろうか、とリヒトが既に涙目になりそうになった時、サクリが本を差し出した。リヒトはキョトンとした顔で思わずサクリを見る。
    「え、と……」
    「もう読んだからいい、読みたいんだろこれ」
    「え、あ……ありがとうございます……」
    「その代わり、お前の読んでる本貸せ。読み終わったあとでいい」
    「あ、はい。えと、すぐ読みますね」

    やはり見すぎてバレたと思ったが、サクリを待たせないように読んでいく。丁度あと数ページで読み終わる流さだったため、すぐに読み終わりサクリに本を渡す。その時、琥珀が何かお盆に載せて二人に持ってきた。
    「少し休憩したらどうだ、はいこれ」
    「え、わ、これ……」
    琥珀はあった材料で蒸しパンとコーヒーを持ってきてくれた、そう言えばさっき甘い匂いがしていたとリヒトは思った。蒸しパンはプレーンとココア味の2種類があり、美味しそうでリヒトのお腹の虫がなった。わざわざお茶請けを用意してくれた琥珀に、お礼を言うリヒト。そして、何かタッパーに入れたものをサクリに見せる琥珀。
    「蒸しパン、沢山できたからこれもエリーさんに渡してくれ。後で一緒の紙袋に入れておくから」
    「あぁ」
    サクリは既に蒸しパンを食べており、リヒトも食べる。優しい甘さが口に広がり顔が綻ぶ、琥珀はそんな様子を見て笑った。琥珀はこれでリヒトの緊張が解れたらいいと思っていたのを横目に、リヒトは恐る恐るサクリに話しかけた。

    「あ、あの、おすすめの本があるんですけど、えと……」
    「……後で渡せ」
    「……! は、はい!」
    リヒトは笑うと本を取りに行ったのかリビングから出ていった、琥珀は笑うと冷やしておいた作り置きを紙袋に入れてテーブルに置き、一緒に蒸しパンを食べる。
    「この前から選んでたんだよ、渡せて嬉しいんだろうな」
    「律儀だな」
    「ありがとな、リヒトと仲良くしてくれて」
    「別に仲良くしてるわけじゃない」
    そう言いながら本を読むサクリに琥珀は何も言わずにコーヒーを飲んだ。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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