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    amgoenir

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    ヒトひねシャリエグ 🎲ミュ接続ひねくれ
    この後えろくなる予定。

    #シャリエグ

    「これを動かすんですか...?サイコミュで」

    「はい。サイコガンダムがサイド6で暴れた時に回収した強化人間の技術を元に作成されました。そのテストとしてソドンの御二方に協力していただきたく」

    どこかの技術士官が持ってきたケースの中には、二体の何かが入っていた。蛇のような形態でひ弱そうな腕が二本生えているなにかだった。

    「それぞれ、シャリア中佐とエグザべ少尉をイメージしてデザインされました」

    エグザべがそれを摘むとだらーんと重力に従い伸びる。閉眼したそれにはまだ意識がないようだ。

    「本当は人間らしい二足歩行にしたかったのですがまだその技術がなく、指も用意できていません。今回は同期テストと神経のテストになりますからまあ不要でしょう。腕力と握力はありますから、何かを握ったりすることはできますよ」

    シャリアとエグザべは技術士官からいろいろな説明を受ける。要するに一日十分、休憩を挟みながら六セットをこの生物兵器となってそこら辺をうろちょろすれば良いとの事だ。

    「そうそう。この生物兵器、私たちはひねくれと読んでいますが、ひねくれと接続している時はあなたたち本体は動かせないので気をつけてください。特に排泄ですね。ひねくれも生物ですから食事と排泄がセットです。空腹はどうにかなりますが、排泄の方が厄介で、本体とひねくれの区別が最初つかないと思うので、尿意や便意があったら接続を切って先に本体の方でしてください」

    「食事ですか。人間と同じでいいのですか?」

    「はい。ただ消化器官が弱いので半固形物を少量与えてください。起動している間に一度で大丈夫です」

    「わかりました」

    「では早速、今回は御二方同時に接続しますが、テスト中はどちらか一方のみで問題ありません」

    専用の椅子に座り、コードが着いた機械を頭に被せられる。

    「接続開始」

    気づくと、視界が狭くなっていた。下半身はどんよりと重く体が上手く動かせない。ごにょごにょとして上体を起こすと目の前にはシャリアのような髭のある"ひねくれ"がいた。

    (上手くいったのか?)
    「ひねねひっひねね?」

    (なっ、こいつ声帯も不完全なのか)

    そう思った瞬間、シャリアのひねくれも喋り出す。

    「ひぃひねひねねぇひねね」

    (だめだ、全然分からない)

    今のが独り言なのか会話だったのか分からない。しかし中佐ならこちらの思考を読んで会話できるのだろう。

    「接続成功。すみません少し失礼します。痛かったら左手をあげてください」

    技術士官はエグザべの手を取り少し摘む。痛い。素直に左手をあげた。シャリアにも同じようなテストをする。

    (操縦ってよりも、自分の体を動かしているような感覚だ。連邦の強化人間はこれをモビルアーマーでやったってことだろ…)

    不意に、顔っぽいところに不完全な手が当てられる目の前のシャリアが何か言ってるが何も分からない。たぶんそれ以上考えない方がいい的なことを言ってるんだろう。

    「問題なさそうですね。少し動いてみてください。這うように、両足を揃えて体全体を左右に捻るようにすればうごくはずです。人間のからだとは違い腕の補助がなくても移動が可能です。」

    言われた通りにしてみると上体を起こしたままでも少し前に動く。たぶん蛇と同じ仕組みなのだろう。エグザべは蛇を思い出しながら体を丸めたり、上半身だけを動かしてみる。とても不思議な感覚だった。

    「さすがサイコミュ操作に慣れていると飲み込みが早いですね。私たちがテストを行った時は散々でした。ではそちらからの接続解除のやり方を教えます」

    技術士官はモニターから目を離して向き合う。こちらの手を頭上に持ち上げると、紐のようなものが出ていた。それを引っ張ると、意識は本体の方に飛び、視界が変わっていた。

    「お疲れ様でした。御二方、立てますか?」

    立てない。足の感覚が分からなくなった。それはシャリアも同じようで、困惑が顔に浮かんでいる。

    「やはりそうなりますか。足を触りますね」

    技術士官はシャリアの足を持ち上げる。マッサージをするとだんだんシャリアの足が動き始める。
    同じようにエグザべの足にも刺激が与えられる。だんだんと足を動かす感覚を思い出しふらつきながらも立ち上がった。

    (この感覚、確かにサイコミュだ)

    昔、アーム型のサイコミュを使用した時、モビルスーツを降りたあとも、第三の腕の感覚が離れず無い腕をずっと動かしていた記憶がある。

    「ということですので、長時間の接続は危険ですのでおやめ下さい。接続後にはマッサージと軽い運動をしてくださいね」

    技術士官は淡々といいながら、器具を片付け始めた。
    エグザべは椅子にもたれたまま、隣のシャリアを横目に見る。彼も無言だったが、どこか気配が静かだった。エグザべは視線を戻し、ふと自分の手を見つめた――まだひねくれの腕を動かしている錯覚が、指先に微かに残っていた。

    ※※※
    ブリーフィングルームに乗員が集められていた。興味半分、不安半分、そして少しだけ――嫌な予感。

    「こちらが、ひねくれです。今日はエグザべ少尉のほうがサイコミュと接続されています。姿かたちは違えど、エグザべ少尉には変わりありませんので、あまり可愛がりすぎないように」

    シャリアの紹介に合わせて、肩からスルスルとひねくれが下りてくる。横に長い目、尖った口、髪の毛やジオンの制服を着たような模様が付いており、たしかにひと目でエグザべだということがわかる。
    ぴくり、と誰かが肩をすくめた。

    「うっ……」

    ぽつりと声を漏らしたのは、セファだった。わかりやすく後ずさる。

    「蛇ダメなんです、私……なんで腕ついてるんですかあれ……最悪……」

    次の瞬間、エグザべがぬるっと体を伸ばし、周囲を見ようと頭部を持ち上げた。それが決定打だった。

    「きゃっ!」

    セファが思わず声を上げて身を引いた拍子に、手に持っていたカップが宙を舞った。紅茶が、まるでスローモーションのように、エグザべの顔面にクリーンヒットした。
    その場に、微妙な沈黙が落ちる。

    「あ、あの、すみません、すみません、わざとじゃ……!」

    セファは慌てて手を伸ばそうとするが、すぐには触れられなかった。どれほど異形でも、上官に向かって紅茶をぶちまけたという事実は変わらない。濡れそぼってくねるその姿に本能が拒否反応を示しながらも、彼女の足はその場に縫いとめられていた。

    「おやおや、セファ伍長にはなるべく近づかないように気をつけましょう。セファ伍長は濡れてないですか」

    シャリアはエグザべをハンカチで包みながらセファを気遣う。セファは顔を真っ赤にして立ち尽くしていたが、シャリアの声にようやく頷く。

    「も、申し訳ございません」

    シャリアは微笑を浮かべながら、ハンカチでひねくれの頭部をやさしくぬぐう。ハンカチの中ではくったりと大人しくなっていた。

    「さて、今後しばらくは、こうしてひねくれが艦内に出入りすることになります。生物である以上、いくつかの制約や注意点がありますが、基本的にはこちら側で管理します。それと私もこれと接続しますから、その時はラシット中佐に全権を任せます」

    そう言ってポケットから自身のひねくれを取り出す。未接続のそれはより軟体動物らしい動きをしていた。ラシット中佐が小さく頷き、他の隊員たちもそれぞれに表情を引き締めていく。中にはまだ遠巻きにひねくれを見ている者もいたが、誰も異を唱えはしなかった。

    「では以上。各自、訓練予定の確認を」

    ※※※
    ブリーフィングが終わると、シャリアは誰にも断りを入れず、ひねくれのエグザべを抱えたまま私室へと戻っていった。

    「災難でしたね、エグザべくん」

    抱えられたひねくれは、まだ紅茶の香りをうっすら纏っていた。
    シャリアは丁寧にタオルを広げると、エグひねの頭部らしき部分にそっと当てた。くしゅ、と柔らかい音がして、水気が吸い取られていく。

    「ひね……」

    「くすぐったいですか? でも、ちょっとだけ我慢して」

    タオルの端がぬめる肌を撫でるたび、エグザべはほんのり震えた。心を覗かずとも、その反応が素直すぎて微笑ましい。
    エグザべは目をうっとりさせながら、柔らかく下半身を揺らした。

    (シャリアさん、もう、だいじょーぶです)
    「ひねねん、ひね、ひぃねぇねひね」

    心の中でそう伝えても、体のほうがついてこない。シャリアの膝の上はぬくもりがあって、柔らかくて、タオルの感触も気持ちよくて。
    それだけでもう、気が緩んでしまいそうだった。

    「エグザべくん、がんばり屋さんですね。もう無理しなくてもいいんですよ」

    (いや、ほんとうに、まだ職務中なので)
    「ひにゃ、ねんねぇい、ひひねねねひねね」

    尾をきゅっと引き締めて、背筋をぴんとさせようとする。
    しかし、次の瞬間、シャリアの指が背中をそっと撫でた。

    「ほら、また固くなって……そんなに緊張しなくても、メンテナンスしているだけですよ」

    その声だけで、エグザべの体がふにゃりと弛緩した。

    (くそっ、撫でられる感覚がダイレクトに伝わってきて...)

    「へえ。そんなに気持ちいいのですか」

    (シャリア中佐。メンテナンスなら自分でやりますから)
    「ひねねひーね。ひんねひんひねね。ひねんねひひねんねね」

    尾をぴんと立てて抗議の意志を示すも、全体の動きはふにゃふにゃでまったく締まらない。

    「……そうですか。すみません、少しやりすぎましたね」

    タオルをそっと置き、シャリアはエグザべを腕の中で優しく抱え直す。今度は撫でたりせず、ただあたたかい腕の輪の中に収めるだけだった。
    エグザべは小さく尾を揺らした。体はまだふにゃふにゃしているくせに、どこか「自分の意志は通したぞ」と言いたげな静けさがあった。

    「さぁ。そろそろ本体の方を起こさなければいけませんね」

    そう言ってエグザべの頭上の紐に触れる。アイコンタクトの後に軽く引っ張ると、ひねくれはくたりと倒れた。
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    amgoenir

    DONEアイスバースロスモ。去年書いたやつを修正したやつです。死にません。
    そしてまた、二人は出会う。その日はうだるような暑さだった。ジュースに入った氷も一瞬で蒸発してしまうような、そんな日だった。

    「スモやん冷てえ。最高」
    ベタベタと男が男に張り付いていた。まさに地獄絵図。たしぎはドン引き。スモーカーは青筋を何本も立て拳を握り、ドカドカ殴りかかっていた。海兵の汗で沈没しそなほど異常に暑い中、冷たいと言われた男は汗ひとつかいていなかった。
    スモーカーは、体温が異常に低い体質をしていた。世間ではそれをアイスと呼ぶ。アイスは数千人に1人の割合で生まれる珍しい人間だ。気温に左右されず汗もかかなければ凍えもしない。生まれた時から低体温を保ち続ける。そんな体質だ。そして対となるジュースと呼ばれる体質がある。こちらは数万人に1人生まれるかどうかというアイスよりも希少な人間だ。ジュースは普通の人間とほぼ同じ。しかし決定的に違うのは、恋愛を封じられたことだった。ジュースは特定のアイスにしか恋心を抱けない。しかしそのアイスと結ばれた時、アイスは恋という熱で溶けて無くなってしまう。ジュースはその時初めて、自分がジュースだと自覚できる。出会ったが最後、永遠にひとつになることの無い悲しき運命を背負っていた。
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