あっついなぁ…
真夏のアジト。
エアコンも呻りながら頑張ってはいるが壁を埋め尽くすモニターからの排熱には完全にお手上げのようだ。
吹き出してくる汗を吸ったTシャツが体にまとわりつき気持ち悪い。ソファにヒーターでも入っているんじゃねぇか。とすら思い始めたKKは資料を読む手を止め、シャツの裾をまくるとうちわで風を送る。
「KKそれ、おじさんくさいよ」
「良いんだよ、おじさんなんだから…ってお前帰ってたのか」
今帰ってきたところだよ、といいながら暁人はコンビニの袋を取り出す。
「お土産」
アイスキャンディーが2本、KKはありがたく1本頂くと袋を開け齧り付く。
暁人も隣にかけ同じようにアイスキャンディーを齧る。
「こういうの食べると舌が青くなるんだよな」食べ終わったアイスキャンディーの棒をもて遊びながらKKがつぶやく。
「僕のもなってる?」ペロッと出された暁人の舌は安っぽい着色料の青に染まっていた。
「あーお前そりゃ病人の色だぞ…」
KKは暁人を抱き寄せると暁人の舌に自分の舌を絡ませる。
お互いにアイスキャンディーの余韻を十分に味わうと
「病気なら、治してやらないとな」
そう言ってKKは優しく暁人を押し倒した。
部屋には西日が差し込んでいる。