夜の渋谷を暁人が駆け回り、般若の面の男を倒した。無事とは言えないのが、倒した代償が大きすぎるからだ。暁人の妹は帰らぬ人となり、正真正銘1人になってしまった。
だが、KKは生き残った。自分もあの時点で、魂だけだったし、乗っ取られた肉体は消滅したはずだったのだが、なんの運か肉体が戻り、自分の足で地面を踏み締めることが出来たのである。
その足でアジトに行くと、暁人やエド、さらに亡くなったはずの凛子や絵梨佳も集まって、一時期お祭り騒ぎになった。
そして、相棒に託した遺言は、必要が無くなり、KKは妻と子供の待つ家に帰った。が、そこで待ち受けていたのは、離婚の話だった。
ここに自分の居場所がなくなってきていたのは分かっていた。ほとんど家に帰らず仕事ばかりに鎌をかけているから当たり前の話だが。まぁ、要するにバチが当たったのだ。妻と入念に話し合い、必要な書類を書いて、役所に届けると直ぐに関係は解けた。
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