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    orb_di_nero

    ぬばたま(@orb_di_nero)の小ネタ置き場。
    大体取り留めもない会話文のみ。

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    orb_di_nero

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    バイン卿とクラークさんのハロウィン小話(会話文のみ)

    ##占傭
    ##バイン卿とクラーク

    「バイン卿、言われた通りフロッツの焼き菓子とホーインズのチョコレートを三十程買ってきましたよ」
    「ありがとう、クラーク」
    「こんなに沢山食べるんですか?」
    「いや、これはハロウィン用だ」
    「ハロウィン用……?貴方のところに子供が来るのですか?」
    「いや、今から訪ねに行く。あまり治安がよろしくないから、付いてくるつもりなら財布はここに置いていくといい」
    「もしかして、ストリートチルドレンのところに?」
    「ああ。彼らは優秀な私の情報屋だからね。たまには仕事抜きの交流もしなくては」
    「……優秀、ですか」
    「ックク……」
    「バイン卿」
    「クラーク、子供相手に嫉妬なんかするもんじゃない」
    「……別に、そんなことは」
    「そういうのはそのへの字口を直してから言うんだな」
    「む……」
    「さ、行こうかクラーク。今日は忙しいぞ。情報屋たちのご機嫌を伺ったら、次は君の番だ。欲しいものを考えておきたまえ」
    「え?」
    「何を不思議そうな顔をしてるんだ。今日は君の誕生日でもあるだろう」
    「あっ、はい。勿論それは、……そうなんですけど。まさか貴方が祝ってくれるとは思ってなくて」
    「君は“優秀な”私の助手だ。祝うに決まっているだろう」
    「!、……あの、欲しいものは何でもいいんですか?」
    「勿論、私に用意できる物ならね。……ああ、そうだクラーク。チョコレートはひとつ手元に残しておくといい」
    「え?何故です?」
    「治安のよろしくない男が夜に君を訪ねてくるかもしれないから」
    「えっ」
    「――トリックオアトリート。お菓子をくれなきゃイタズラするぞ、ってな。なぁ、イライ?」
    「な、もう、ナワーブ……!!」
    「という訳で、欲しいものは君の恋人、というのはナシだ。きちんと私に贈り物をさせるように」
    「……分かりました、バイン卿。貴方の選んだものなら何でも嬉しいけれど」
    「そういうのが一番困るんだ。……ああ、やっぱり財布は置いて行きたまえ。ひとまず今日は私が全て奢ろう」
    「それじゃあ僕の格好がつかないんですが」
    「大人しく祝われておいてくれ。さ、お喋りはここまでだ。行こうか、私の“優秀な”助手殿?」
    「バイン卿!からかわないでください!」
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    orb_di_nero

    MOURNING記憶喪失話占視点。力尽きて急に終わる誰にも言ったことはないけれど、僕はこの荘園に来る前にとある人に飼われていたことがある。
    飼われていたと言っても、別に奴隷ような扱いを受けたりはしなかった。念の為に言っておくけれど、性的なアレソレもない。ただ、どこの馬の骨かも分からない僕に無償で寝る場所と食べ物をくれて、それから言葉を交わしたりした。それだけの、優しい関係だ。





    その人と出会った時、僕は一切の記憶を失っていた。
    天眼の力を失った僕を疎ましく思った彼女の家の者に殴られ、路地裏にまるでゴミのように捨てられていたのだ。
    何も持たない僕を自らの家へと持ち帰ったその人は、医者を呼び薬を貰い、そして寝床や食事まで用意してくれた。
    優しい人だと言うと怒ったような顔をするその人は、イーライ・クラークと名乗った。「似合わん名前だろう」と苦笑気味に言われてしまった時は、どんな顔をしたらいいか分からなかった。
    彼は良い人だ。記憶のない僕を拾い、こうして置いてくれている。
    彼は良い人だ。僕が彼の意に沿わないことをやっても、決して手を上げたりはしない。
    彼は良い人だ。僕が「ありがとう」と言うと、ほんの少しだけ笑ってくれる。
    けれど、彼は善 2167

    orb_di_nero

    TRAININGお題「絶交」な会話文。眠気に負けるな。イソップ大活躍。「っ、どうして分かってくれないんだ!もうナワーブなんか知らない!君とは絶交だ!!」
    「……あっそ。分かった」
    「えっ」
    「じゃあ俺は部屋に戻る。悪かったな、“クラーク”」





    「…………はぁ」
    「あれ、イライさん?珍しいですね」
    「あ、イソップくん。こんばんは」
    「……こんばんは。こんな時間に一人で食堂にいるなんて、どうしたんです?」
    「そうだね……ちょっと色々あって」
    「へぇ、そうなんですか」
    「…………」
    「…………」
    「……聞かないのかい?」
    「聞くタイプに見えますか?」
    「いやそれは……見えないけど」
    「じゃあそういうことです。僕はお茶を淹れに来ただけなので」
    「そっか……」
    「…………」
    「…………あのさ」
    「なんですか」
    「ちょっと聞いてほしいんだけれど」
    「そっちが聞いてほしいんじゃないですか。なら最初からはっきりそう言えばいいのに」
    「はは……うん、そうだね……」
    「何ガチ凹みしてるんですか」
    「うん……いや、ちょっと思うところがあって……」
    「…………はぁ。お茶が入るまでですよ」
    「え?」
    「お茶が入るまで、話を聞いてあげます。ただし、建設的な意見とかは求めない 2276

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