「あら?お兄様。ソウエイは寝てしまったのですか?」
「いや、ちょっと疲れてるだけだ。蕎麦が出来たら起きると言っていたぞ」
「ならよかったです。もう少しで出来ますから起こしておいてくださいね」
「ああ」
そう答えると妹はいそいそと台所へと戻っていく。教えて頂いた年越し蕎麦なるものを、リムル様の為に満足のいく出来にする為奮闘している姿は兄として微笑ましいものだ。その後ろ姿を見送ってから同じくリムル様によって作られた炬燵という温かい机の向かいに座った相手に声をかけた。
「だ、そうだぞ。ソウエイ」
「………っ……この、馬鹿……っ♡」
俯いていた顔を上げたソウエイは涙目でこちらを睨む。その頬は炬燵の熱のせいだけではなく赤く、目は潤んでいた。
「ん?上手い誤魔化しだったろ?」
「誤魔化さなきゃいけないようなことをお前がするか………ひぁっ♡」
「例えばこんなか?」
先程までしていたように炬燵の中で伸ばした足でソウエイの股間をグリグリと押し潰すと、噛み殺せない甘い声を上げた。
「ソウエイ。あんまり大きい声をだしたらだめだぞ」
「ふっ、……っ♡ば、かぁ……っ♡♡」
嫌なら逃げればいいのに。震えながら声を耐えるだけのソウエイににんまりと笑いながら、皆が寝静まるまで待てるだろうかとベニマルは考えるのだった。