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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    クロ←リン/プレゼント捕獲失敗

    「これは……、ぬいぐるみ?」
     生徒一同から教官へのクリスマスプレゼントだと渡された包みを開封したリィンは、あまりに想定外の中身でうろたえた。
     入っていたのは三〇リジュほどのファンシーなぬいぐるみだ。
    「はぐはぐシリーズなのですが、このふたつは特注品です。リィン教官とクロウさんを模してみました」
     ミュゼが率先して説明してくれるなか、改めて中身をよく見た。確かに彼女の言うとおり、相棒と自身をそれぞれ模しているのがよく分かる。凜々しい眉や垂れた目尻も忠実に再現されているはぐはぐクロウに頬を綻ばせた。
    「本当は、リィン教官には本物をプレゼントしたかったんです」
     はぐはぐクロウの手を握っていると、アルティナが不機嫌を隠さず言った。
    「そうなんですよね。かなり捜索範囲を広げたのですけれど」
    「ミリアムお姉ちゃんも、見つけられなかったそうで」
    「遊撃士協会にも依頼を出したんだがな」
    「父や兄からも見つかったと連絡がなく」
    「ロイドさんたちにもクロスベルの方面を探してもらったのにダメだったんです」
     生徒らが口々に嘆いて肩を落とす様に驚き目を瞬いた。
     旅に出てから一度も会いに来ない彼のことを、生徒の前で話したことはない。それでも彼らなりに察するものがあったようだ。
     ここ最近の連絡が途切れていた原因を知り、今度通信がつながったときには彼を労ってやろうと心に決めた。
    「ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ」
     本当はひとりひとり抱きしめたいくらいだったが、代わりにぬいぐるみを胸に抱く。リィンも用意したものを渡してしまおうとしたときだった。
    「ったく、そういうことかよ」
     耳に馴染んだ、けれど久しく聞いていなかった相棒の声だ。
    「え……?」
    「お前らいい加減にしろよ! こっちはなんで追われているのか分からないのに、ギリギリの逃亡生活送らされたんだからな」
     突然現れた彼はリィンらの前でわあっと大げさに嘆いている。そんな彼の頭にアルティナがいそいそと真っ赤なリボンを結んでいた。
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    さらさ

    MOURNING「何かあって不機嫌そうなクロリンが戦闘では息ピッタリな話」の続き。やっとくっつきます。
    付き合ってないのに痴話喧嘩は犬も食わない リィンとクロウの不仲騒動から数時間。第五階層の最奥まで回って《円庭》に戻ってきた面々は二人を除いて疲れ切った表情をしていた。余りにも不毛な痴話喧嘩、それでいて付き合っていないというのだから手に負えない。瞬く間にそれは広がり、新旧Ⅶ組は総出で溜息をつき、他の面々も事情を察したように苦笑いをしていた。一部生温かい目で見る者もいたようだが。

    「全く、本当にいいのかい?リィン君だって同じ気持ちを持っているのだろう?」
    「……あいつには悪いが、応えられるほど真っ直ぐじゃねぇんだ」

    テーブルを囲って、かつて試験班だった面々がクロウに詰め寄る。アンゼリカの言葉に彼は首を振った後、真剣に迫ってきたリィンの事を思い出す。構えば構う程、愛情と執着心そして独占欲が生まれ、その度にクロウは己を律してきた。果たしてそれは必要か、と。必要であるならばいくらでも利用できる。だと言うのに彼の場合はどうだ、根も真っ直ぐでたくさんの人から慕われている。そんな彼を利用するだなんて出来ないし、したくもなかった、これはフェイクでも何でもない本音であった。未だに《C》だったころの話も出してネタにするのは正直言ってやめて欲しいのだが。
    3623

    さらさ

    MOURNINGフォロワーさんのネタをサルベージした一品。二パターンのうちの一個。曰くフォロワーさん的にはこっちがお望みだったようなのでこちらを先にアップ。
    でも本当に様になるねこの男は。

    尚そんなに活躍していない偽名は、私の趣味です(特にローデリヒ)
    踊ってください、愛し君「あれが例のターゲットか」
    「そうみたいだな。さぁて、どうしてやろうか」

     帝国のとある貴族邸にて。一時期帝国とクロスベルを行き来していた偽ブランド商がこの屋敷にて開かれる夜会に紛れてどうやら密談を行うらしい。そこでクロウとリィンには穏便な形での取り押さえるという依頼が舞い込んできたのである。相談した結果、ターゲットが女性である事とクロウ曰く二人そろって見目もいい事から凝った変装は必要ないだろうという事になった。ただリィンの場合は顔と名前を知られすぎているので、一工夫必要だとクロウの手によって好き勝手され。ラウラやユーシス、時間が出来たからと顔を出したミュゼの審査を受けてようやく目的地に辿り着いたのだが。如何せん、そこまでの振り回されたこともあって少々疲弊していた。潜入捜査に男二人は流石に目立たないだろうかとは思ったものの、その手のプロから珍しい事ではないとのアドバイスをもらったので女装させられるよりはましかと腹を括った。
    1996

    さらさ

    DONEリクエストより「クロリンで指輪交換」でした。指輪を交換した勢いで誓ってもらいました。場所が場所だけどね!

    リクエストありがとうございました!
    誓いの環をその指に「買って、しまった……」

     十二月もまだ初旬、たまたま帝都に出たという理由だけで散策して見つけたシンプルな指環。ああ、あいつに似合いそうだと思ってうっかり買ってしまった物だったがこれを渡せる程の関係でもないという事は彼――リィンも分かり切っていた。一応、お付き合いしている関係ではある。だが余りにも空白の時間が長すぎた事、戦後の事後処理に追われて時間が取れない事が相まってしまい未だ実感が湧かないのが現実であった。だからこれは余りにも早すぎるというもので。そっとコートのポケットへと仕舞ったのだった。

    「やべぇ、買っちまった……」

     同時期、別の男もまた同じ事をしていた。たまたま見つけた最低限の装飾しか施されていない指輪。ああ、あいつの指にはめてしまいたいだなんて思っているうちに買ってしまった代物である。お付き合いを始めてそろそろ三か月、今度こそ手を離さないと誓ったものの状況がそれを許さなかった。彼らは別々の場所で必要とされ、帝国内を東奔西走するような日々である。言ってしまえば魔が差したようなものだと、彼――クロウは思う。なんせ相手は天性の朴念仁で人タラシ、所有痕の一つや二つ残しておかねば相手が近寄ってくる始末だ。その状況に頭を抱えていたのは事実だが、かといってここまでするつもりはまだ毛頭なかった。
    1833