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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    クロリン/ティナ視点/創、後日談の前
    わたしも貴方も彼の相棒

    「ブリューナク、照射」
    「おっと、今の当たってたらヤバかったな」
     黒の戦術殻から照射された光線を難なく避ける男にふたたび構える。
    「……クラウ=ソラス」
     訓練で精も根も尽きたアルティナはカレイジャスⅡ艦内、総合訓練所の天井を眺めさせられていた。同じく先ほどまで動き回っていたはずのクロウは床にゆったり座っている。
    「貴方は、帝国へ戻ったら、また教官の前からいなくなるんでしょう」
     上がった息が整わないまま言葉を振り絞った。隣に並びたいリィンにも、彼に並ぶこの男にも力が及ばない。悔しさが目尻に浮かんだ。
    「いなくなるって」
    「そうじゃないですか。貴方が一度いなくなって、どれだけあの人が悲しい思いをしたのか、分からない貴方ではないでしょう」
    「そうだよな。お前はずっと、あいつを見てきたんだもんな」
     追憶に浸っているらしい彼が目を細めた。どうにか起き上がり、その顔をじっと睨む。
    「あの人の相棒だというのなら、なぜ側を離れるんですか」
    「なあ知ってるか。あいつ、黄昏が終わった今も、お前さんが直したネックレス大事に持ってるんだよ。お守りみたいにさ」
    「エリン、の、」
    「そ。大事な生徒からもらったもん、簡単に手放せるようなやつかよ」
     戸惑うアルティナを、肩をすくめた彼が見下ろしていた。大きな手のひらに帽子のうえから乱暴に撫でられる。
    「相棒相棒って言うけどな、相棒ってひとりじゃないだろ。少なくとも、あいつはお前さんのことも信頼できる相棒だって思ってるんじゃねえかな。俺はそう思うぞ? もちろん、ヴァリマールもあいつの相棒だ。俺の相棒がオルディーネであったように、な」
     優しい雨のような言葉が、悔しいくらい染み込んだ。
    「あいつのこと、頼むな」
    「貴方に言われなくても。戻ってきても、貴方の居場所があると思わないでくださいね」
    「おう、上等だ」
     背中越しに手を振られ、扉の向こうへ去っていく背中に歯噛みした。
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