Recent Search

    miharu_2

    @miharu_2

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐣 🐤 🐥 🍗
    POIPOI 11

    miharu_2

    MOURNING最終回後。温情の手記がもしも残っていたら、みたいなところから着想した雰囲気な掌編です。いろいろ捏造…陳情令ベース。時間切れなので供養します。そのうち機会があったら書き直したいです。曦澄はできたてぐらいかなの感じ。
    「温寧からの文だって?」
     そうだ。頷いた藍忘機は文箱をあけて取り出すと魏無羨に差し出した。
     かつて温氏の若君であった頃であればともかく、今の温寧が文を書く様がうまく想像ができぬまま手渡された文を広げる。雲深不知処に戻た藍思追が持ち帰ったもので、帰還の挨拶の折りに手渡されたという。
     内容は乱葬崗に残された藍思追を引き取り藍姓までもを与えて育てた事への礼が短く綴られており、最後にひとつ思い出したことがあるとして一文添えられていた。
    〝姉は日々の記録をつけていたから、もしまだどこかに残っているなら魏の若君の金丹に関することも細かく記録されていると思う〟
     温氏の残党狩りが進む中、夷陵監察寮に残されたままの大量の医術書はまるごと藍氏が引き取ったが、あの頃は雲深不知処の立て直しの方が急務であり、温情ほどの腕利きの医師もまた居なかったこともあって整理の手が及ばぬまま蔵書閣の片隅に放置され、そのままいつしか忘れられていた。
    2687