金色とこいぬ リオセスリが小さくなるようになってから、初めての秋が来た。
窓の外へ視線を向ければ、視界に入る山々は徐々に赤と黄が山を下っているようだった。つい先日まで暑くて外へ出たがらなかった仔犬は長袖の服を着て外を駆けては、池に浮かんだ木の葉を見ている。一昨日、外から帰ってきたリオセスリが小さなズボンのポケットから出したのはどんぐりや、栗で、仕事をするヌヴィレットの執務机に丁寧に一つずつ並べていた。
池を覗き込み、持っていた木の枝でちょいちょいと木の葉をたぐり寄せようとしている姿は、仔犬というよりまるで仔猫だ。以前、池の中に落ちたのを覚えているようで、池の周りの石に乗って遊ぶ姿は最近見ていない。この時期に池に落ちれば風邪を引いてしまうかもしれないので、ヌヴィレットからすれば、落ちる心配が無いのは安心できた。
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