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    takaso37206509

    @takaso37206509
    主に自創作の資料を置いています。楽しめるかわかりませんが、寛大な方が覗いてくださったら嬉しいです😊✨

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    takaso37206509

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    #ネッキ

    短編シナリオ「ネッキ(フィンランド河童)」夏休みに父ユリアンと湖畔のコテージに泊まりにきたシルヴィ。



    シルヴィは湖畔で泳ごうと水着姿で歩いている。
    すると湖畔から美しい歌が聞こえた。

    湖畔では美しい青年が歌っていた。
    彼はシルヴィの存在に気付き、彼女に微笑む。
    シルヴィは美しい青年の笑顔に呆気に取られ、思わず顔を赤らめてしまう。

    シルヴィ「あっ…!
    邪魔してごめんなさい!
    素敵な歌が聞こえたから、つい…。」

    ネッキ「そんな風に言ってもらえるなんてうれしいな。
    この辺じゃ見ない顔だね?観光客?」

    シルヴィ「そうなの。
    あっ私はシルヴィ。あなたの名前は?」

    ネッキ「うーん…ナイショ」

    シルヴィ「えぇ~!?」

    ネッキはシルヴィに近づく。

    ネッキ「もっと仲良くなったら、教えてあげる。」

    シルヴィ「あ…うん…」

    シルヴィははにかみながら答える。

    シルヴィ「えっと…あなたはここに住んでるの?」

    ネッキ「そう。生まれた時からずーっとここ。嫌になっちゃうよ。
    こんなとこからさっさと抜け出したいのに…。」

    シルヴィ「そんな!とっても素敵な場所じゃない!」

    ネッキ「僕にとってはそうじゃない…。ここの人達は、みんな僕の事が嫌いなんだ…」

    シルヴィ「!
    ……それは…とても辛いね。」

    ネッキ「うん……。
    僕、ずっとひとりぼっちなんだ。
    だからこうして君と話せて、すごくうれしくて。

    ……でも、こんな話を聞いたら、もう僕なんかと話したくないよね。」

    シルヴィ「あ…えっと……
    …もし良かったら…私と友達にならない?」

    ネッキ「!?
    話聞いてた?
    僕、みんなから嫌われてるんだよ?
    そんな奴と友達なんて…」

    シルヴィ「そんなの関係ない。
    私はあなたの事とても素敵な人だと思ったもん。
    ねぇ、友達になってくれない…?」

    ネッキ「ありがとう…シルヴィ…。でも…」

    ネッキはシルヴィの耳元で囁く。

    ネッキ「僕は友達よりーーー」

    シルヴィ「……えぇ!?」

    シルヴィは顔を真っ赤にする。

    ネッキ「冗談だよ!」

    シルヴィ「ひ…ひどいからかったの!?」

    ネッキ「はは!ごめん、ごめん。
    ねぇ、泳ぎに来たんだろ?
    こっちに来なよ。冷たくて気持ちいいよ。」

    シルヴィ「うん……ねぇ
    名前、教えてくれないの?」

    ネッキ「……ここまでおいで。
    そうしたら教えてあげる。」

    シルヴィ「……!うん!」

    シルヴィ「キャッ!?イヤ!やめて離し…」

    バシャバシャバシャッ!バシャ…ッ!バシャ…

    ……………


    ユリアン「シルヴィー!おいシルヴィー!

    !」

    シルヴィのバックを見つけるユリアン。
    辺りを見回すと、釣り道具を持った老人が現れる。

    ユリアン「あの、すみません!この辺で娘を見ませんでしたか!?
    大学生くらいでショートヘアーの…。
    昼にここへ泳ぎに行ったきり帰ってこないんです!」

    老人「そりゃあ…お前さん、ネッキの仕業かもな。」

    ユリアン「ネッキ…?」

    老人「湖に住む水の精霊さ。
    美しい歌で人間をおびき寄せて、湖の底に引きずり込むんだ。」

    ユリアン「……ッ!こんな時にバカげた迷信を!」

    老人「本当さ。
    ネッキの歌が聞こえたからあたしゃ釣りができなかったんだ、ホラ」

    ユリアンに空のバケツを見せる

    ユリアン「……クソッ!」
    振り返り別の場所を探そうとするユリアン。

    …………

    ネッキはぐったりとしたシルヴィを抱えている。

    ネッキ「あぁシルヴィ……
    これで僕達はずっと一緒だね。」

    シルヴィが虚ろな目で目覚め、ネッキに愛おしそうに触れ、彼にキスをする。

    シルヴィ「もう…ひとりぼっちじゃないよ……
    ネッキ」
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