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    エイリアン(小)

    @4Ckjyqnl9emd
    過去作品封じ込める場所です、時々供養とか進歩
    お絵描きは稀に

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    POIPOI 11

    夏五、じゅにおける処女作(多分)
    短いです

    「ほんっと人使い荒いよなぁあの年寄りども」
    「それ、悟にだけだと思うけどね」
    ぐでんと我が物顔で私のベットに寝転がり、しれっとチョコの包み紙にも手を伸ばしていた悟はその一言に顔を顰めてべっと舌を出す。
    「だって気に食わないし、思ったことは素直に言うべきだろ?」
    「違いない」
    皮を被ってる私とは違い、悟は自分に正直だった。例え上層部の者を前にしても怯むことも媚びることもなく至極真面目に自分の考えを浴びせる、勿論非難や不満も隠さずに、だ。
    そんな悟を上層部は気に入らないらしく、最近は細々とした三級術師でも相手取れる呪霊の排除すら悟に任せている始末。その所為でここ二週間ほど悟は各地を飛び回っていた。
    「あちこち行くのほんと面倒臭い。俺じゃなくても別に良いじゃん」
    「嫌がらせのつもりなんだろうね、悟は強いから」
    「傑もだろ。俺たち最強なんだから」
    サングラスの隙間から悟の青空のような目が私を写す。真白な肌に映えるその瞳はいつも私を真っ直ぐに見据えるのだ。この男がこの目を見せるのは私だけで良いと、何度思っただろう。この美しく澄み切った目を独り占めできたならどれだけよかったか。
    「ねぇ悟、この二週間で何度術式を使ったんだい」
    そう問えば悟は怪訝な顔をして私の頭を撫でる。
    「ナニ?頭おかしくなっちゃったの?」
    「いや、大したことではないんだけど」
    気になって。
    するりと彼の目頭を撫でて小さく笑った。
    悟は気づかなくても良い、この小さな独占欲に。きっとこれは呪いよりも強く、ドロドロとした醜い物だから。
    未だ不思議そうに眉を寄せる悟の頬に一つ、キスをしてやった。
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    Replies from the creator

    エイリアン(小)

    PROGRESS進んでるところまで
    夏五共依存
    「さとる」
    そっと呟いても、その声に答えてくれる筈の人間はまだ目を覚まさない。
    さまざまな機械に繋がれ、死んだように眠る悟はまるで精巧な人形のようだった。
    「悟」
    もう一度、名前を呼ぶ。
    ピクリとも動くことのない瞼を見て、思わず投げ出された手を握った。
    ただでさえ冷たい悟の手がさらに温度を失っているのに気付いて、強く、強く握る。あわよくば、この感触に気付いて起きてくれる期待を抱いて。
    「悟...」
    なのに、強く握った手を持ち上げても、悟は目を瞑ったまま。
    抵抗しない。何も言わない。
    それが酷く悲しくて、私はぐっと唇を噛み締めた。

    『五条が暴走車に撥ねられた』
    そう言った硝子の震えた声を、今でも容易に思い出すことができる。
    変わらない日、いつもと同じ金曜。
    いつも通り二人で朝食を取って、悟がゴミを持って出勤する。
    ゴミを持つ悟に、いつまで経っても似合わないな、なんて思っていた。
    昨日の夕食も思い出せないくせして、悟が撥ねられたその日の過ごし方は馬鹿みたいにはっきり覚えているのだ。
    それなのに、彼がいつも通りに放った、行ってきます。その声が薄らぼんやりとしてきているのが恐ろしくて仕方ない 2408

    recommended works

    60_chu

    DOODLE過去作

    Pと諸星きらりちゃん

    THEムッシュビ♂トさん(@monsiurbeat_2)の「大人しゅがきらりあむ」に寄稿させていただいた一篇の再録です。佐藤心、諸星きらり、夢見りあむの三人のイメージソングのEPと三篇の小説が収録された一枚+一冊です。私は諸星きらりちゃんの小説を担当しました。配信に合わせた再録となっております。
    ハロウィンのハピハピなきらりちゃんとPのお話になっております!よろし
    ゴーストはかく語りき シーツを被った小さな幽霊たちがオレンジと紫に染められた部屋を駆け回っている。きゃっきゃっとさんざめく声がそこにいるみんなの頬をほころばせた。目線の下から聞こえる楽しくてたまらないという笑い声をBGMに幽霊よりは大きな女の子たちは、モールやお菓子を手にパーティーの準備を続けているみたい。
     こら、危ないよ。まだ準備終わってないよ。
     そんな風に口々に注意する台詞もどこか甘やかで、叱ると言うよりは鬼ごっこに熱中し過ぎないように呼びかけているって感じ。
     あ、申し遅れました。私、おばけです。シーツではなくてハロウィンの。私にとっては今日はお盆のようなものなので、こうして「この世」に帰ってきて楽しんでいる人を眺めているんです。ここには素敵な女の子がたくさんいてとても素晴らしいですね。
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