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    たんごのあーる

    遅ればせながら、久方ぶりに沼入り。
    夏+五。幸せだったら、それでいい。

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    たんごのあーる

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    #呪術廻戦
    jujutsuKaisen
    #さしす
    point
    #夏五
    GeGo
    #生命線
    lifeline

    五月のさわやかな風が吹き抜けるこの時期は、教室のなかでも過ごしやすい。夜蛾先生が教室に来るまでのいっとき、三人が手の大きさをひとしきり比べあった後、硝子がおもむろに手をとって、
    「夏油の生命線、短くね?」
    と呟いた。
    「硝子、手相を見られるの?」
    傑がそう聞くと、硝子が傑の手をとったまま、コレが感情線、コレが結婚線、コレが生命線、と、手のひらの線をなぞる。まじまじと悟が手のひらを見てから、自分の手を硝子につき出す。
    「俺は?ねぇ、俺のは?」
    「…五条のも短いね。『最強』が聞いて呆れるよ。」
    と言って笑った。悟と傑は顔を見合わせて、手を見比べる。
    「短いと、どーなんの?」
    「長いほうが、当然長生きが出来ると言われてるけど。ま、占いだからね。」
    「じゃ、長い方がいいんだ。ふーん。」
    そういうと、おもむろに黒の油性ペンの太い方のキャップを開けると、傑の手をとって手首まで届く太く長い生命線を引いた。
    「ちょっ!悟、何してるの。」
    「傑に死なれんの困るから、生命線延ばしといた。」
    あっけらかんと言う悟は、自分自身の生命線も、手首の方まで延ばして書く。
    「ほら、これで大丈夫。おそろい。」
    満足そうに言う悟に、二人は顔を見合わせた。ハイスペックな外見に反して、言動はずいぶんと残念であることは、入学してしばらくで身にしみて理解していた。
    「硝子のも延ばしてやろーか?」
    「いらない。」
    あわてて手を隠す硝子に、ふてくされる悟は、制服のポケットにペンを仕舞いながら、これ消えるかなぁと呟く傑を見て、こう言った。
    「駄目ダメ。消えそうになったら、俺に言えよ。いつでも書いてやるから。これで、傑はずーっと俺と一緒にいられるんだから。」



    あれから、十数年。
    強く、ただ強く手のひらを握り締めた悟の前には、物言わぬ傑の姿があった。
    「消える前に、俺に言えって言っただろ。傑。」
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