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    ちよど

    @tiyodo01

    萌えが書けない字書きの二次創作(主にワンライ)置き場。
    成人済。好きなものは帝都騎殺とわし様。他いろいろ。

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    ちよど

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    ビマヨダ。
    いなくなったビマさんを探すヨダナさんの話

    ##ビマヨダ
    #ビマヨダ

    もう彼はいない「ビィーマがおらんではないかーっ!!」
     食堂に響き渡ったドゥリーヨダナの声に誰もが顔をそむけ、マスターは無理やり笑顔をつくった。
    「ビーマさんなら、ここにはいないよ」
     その言葉にドゥリーヨダナは首を傾げた。
    「今度こそいるかと思ったんだが。ええぃ、渡したいものがあるというのに、気が利かないやつめ」
     ドゥリーヨダナが犬猿の仲だったビーマを探し回るようになったのはここ数日だ。
     高難易度編成にビーマがいないのを確認し、シミュレーターにビーマがいないのを確認し、マスターの部屋にまで探しに来ている。
     そんなドゥリーヨダナの背後からカルナとアシュヴァッターマンが駆け寄って来た。
    「旦那、…きっと行き違いになっただけだ。部屋に戻ろうぜ」
    「休息が必要だ、今のおまえには」
     そっと声をかけるふたりにドゥリーヨダナはしぶしぶ頷く。
    「ビーマさんが来たら、ドゥリーヨダナが探していたって伝えておくよ」
     マスターの優しい言葉が食堂から出ていくドゥリーヨダナの背中を撫でた。


     そうして、ふたりに連れられて自室へと向かうドゥリーヨダナは唇を尖らせる。
    「わし様がこんなにも探しているのに、なんでおらんのだ。あの馬鹿ビーマは」
     その文句にふたりは黙って視線を交わした。
    「なぁ、旦那。もう探すのをやめたらどうだ?」
    「そうだ。あの時までおまえは奴と関わろうとはしていなかっただろう?」
    「あの時?」
     ドゥリーヨダナの瞳が丸くカルナを映す。
     それを真っ向から受け止めてカルナは口を開いた。
    「ビーマセーナが、」
    「カルナ!!」
     アシュヴァッターマンの大声がカルナの言葉を遮る。
     その煩さにドゥリーヨダナは瞬きした。
    「わし様、思い出した」
     ぎくり、とアシュヴァッターマンの肩が跳ねる。それに気づかずドゥリーヨダナは服の合わせから封筒を取り出した。
    「この手紙をやつの部屋に放り込んでこようと思っていたのだ!わし様冴えてる!!」
     自画自賛して胸を張るドゥリーヨダナにアシュヴァッターマンはまぶたを震わせる。
    「…旦那」
    「というわけで、わし様あいつの部屋に行ってくる!」
     走り出したドゥリーヨダナをふたりは追うことが出来なかった。


     ドゥリーヨダナは走る。今まで一度も向かった事がないビーマの部屋へと。
     しかし、その足取りは次第に遅くなり、とうとう立ち止まってしまう。
     廊下に立ちすくんだドゥリーヨダナは封筒から手紙を取り出した。
     手紙には何も書かれていなかった。
    「ははははっ」
     笑い出した彼の声は虚ろで手紙と共に床に落ちる。
    「分かっている、分かっているとも。──おまえがもういないことは」
     ビーマの霊基が消滅してから、ドゥリーヨダナはずっと彼を探している。何も書けなかった手紙を持って。
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