蜜の檻、毒の床蜜の檻、毒の床
薄暗くて不気味で寒気がする。そんな罪の森へハチドリは最近知り合ったヒマワリに連れられて来ていた。面白いものがあると聞いたハチは好奇心から付いてきたが、ヒマワリは長い足を使ってターザンロープを渡って手本を見せるものの種として足が弱くずっと飛んでいるハチは腕で精一杯に捕まって翼で補助するのがやっとだった。ブランコだって地面を蹴る力が無くてぎこちなく揺れるだけ。
それでもハチは充分に楽しかった。それなのにいつも優しいヒマワリは酷い事を言った。
「ハチドリ、そんなに貧弱な身体では貴方ひとりでは生きてはいけないでしょう」
「なんだって?俺は今までひとりで生きてきた。自慢の翼もあるなんでそんな事を言うんだ」
1993