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    kaiziru

    @kaiziru

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    kaiziru

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    特殊部隊パロいこみず。
    敵はエイリアンとかそんな感じの地球人でない人型の何かを想像しています。
    イコさんにかっこよく居合をさせてえんだという話。

    #いこみず
    freshWater

    unknown その力は人様のために使えと幼い頃から祖父さんに叩き込まれた頭が体を動かす。恐怖で固まる幼子を腕の中に納めて、迫りくる敵影に向かうべく身を翻した。
     追手は5——いや、6体。足音ととも混じる駆動音を聞き取って、舌を打つ。この子を守りながら勝てるか?息を大きく吸い込んで、肺まで酸素を行き渡らせる。勝ち負けではない。生きるか死ぬかだ。限界まで空気を吸い込んだ状態で息を止める。腕に抱えていた少女を地にそっと下す。敵が近づいてきて、その手が武器にかかった。
     
     一閃。鋭く吐き出した空気と共に敵の体を切り落とす。まずは1体。敵すべてを視野に入れた状態で一度刀を納める。その様子を見て、敵が銃の引き金を引いた。遅い。その速度であれば引き金を引いてからでも間に合う。銃を撃った敵を袈裟懸けに斬り、もう一人隣にいた敵の首を落とした。近寄ってきた近接型の敵を一度鞘で殴りつけてから切り捨てる。怯むように一歩後ずさった敵を更に大きな一歩で追いすがり喉を突けば、敵は沈黙した。
     残り1体。見回して、その機体が視界から消えていることに気づく。くそ!せやから浮いてる敵は嫌やねん。急いで中空を見回すと間合いの外に自立駆動型の敵が浮いている。あちらが撃つほうが早い。避けれるか?砲身に光が瞬いたのを見て、幼子へ踵を返す。その瞬間、敵の機体が破壊され、追って狙撃音が聞こえた。

    『ギリギリセーフっすね』
    「隠岐!ナイス!」
    『いやいや、水上先輩の采配ですよ』
    「…それでも、撃って当てたんは隠岐やんか」
    『相変わらず、水上先輩褒めんの嫌がるなあ』
    「そういうんやないねん」

     もっと複雑なんや。そう漏らせば、隠岐が通信越しでくすくすと笑う。イケメンと女の子にしか許されへんでそのくすくす笑い。刀を鞘に納めて、気を失っている幼子を抱きかかえる。一度息を吸って、吐いてから俺は本部との通信回線をオンにした。

    「任務完了。帰還する」
    『今回も人の静止を全く聞かんとお疲れさんです』
    「お前の言うこと聞いてたら目の前の人助けられへんやろ」
    『あんたが救うのは目の前の人間やなくて人類やって何回言うたら聞いてくれるんですかね』
    「目の前の人助けられんやつが、大きなことなんかできひんわ」
    『さいですか』

     いつの間にやら傍に来ていた隊員たちが俺の返答を聞きながら笑う。いつもいつもよく飽きないもんだな。なんて部下たちの声が聞こえてきて、思わず気恥ずかしさを隠すために眉根を寄せて怖い顔をした。部下の手前、戦場で緩んだ顔など出来ないというのもある。
     本部との通信はとうに切れている。切り上げるで、と声をかければ10名ほどの隊員たちが駆け寄ってきた。俺の部隊は14名。10名の現場部隊と狙撃手3名、そして本部から指令を出す参謀が1名だ。先の通信の相手がうちの隊の参謀なわけだが、まあ未だに俺とは反りが合わない。ああいった答えのでないやりとりは日常茶飯事で、ただ、出会った当初と違うのはお互いがそのやり取りを楽しむことが出来る程度に理解しあっていることだ。
     ああ、いや、もう一つ。
     俺が、あの恐ろしく頭の切れる参謀に、心底惚れてしまっているからだ。
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    kaiziru

    PROGRESS特殊部隊パロいこみず。
    敵はエイリアンとかそんな感じの地球人でない人型の何かを想像しています。
    イコさんにかっこよく居合をさせてえんだという話。
    unknown その力は人様のために使えと幼い頃から祖父さんに叩き込まれた頭が体を動かす。恐怖で固まる幼子を腕の中に納めて、迫りくる敵影に向かうべく身を翻した。
     追手は5——いや、6体。足音ととも混じる駆動音を聞き取って、舌を打つ。この子を守りながら勝てるか?息を大きく吸い込んで、肺まで酸素を行き渡らせる。勝ち負けではない。生きるか死ぬかだ。限界まで空気を吸い込んだ状態で息を止める。腕に抱えていた少女を地にそっと下す。敵が近づいてきて、その手が武器にかかった。
     
     一閃。鋭く吐き出した空気と共に敵の体を切り落とす。まずは1体。敵すべてを視野に入れた状態で一度刀を納める。その様子を見て、敵が銃の引き金を引いた。遅い。その速度であれば引き金を引いてからでも間に合う。銃を撃った敵を袈裟懸けに斬り、もう一人隣にいた敵の首を落とした。近寄ってきた近接型の敵を一度鞘で殴りつけてから切り捨てる。怯むように一歩後ずさった敵を更に大きな一歩で追いすがり喉を突けば、敵は沈黙した。
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    イコさんにかっこよく居合をさせてえんだという話。
    unknown その力は人様のために使えと幼い頃から祖父さんに叩き込まれた頭が体を動かす。恐怖で固まる幼子を腕の中に納めて、迫りくる敵影に向かうべく身を翻した。
     追手は5——いや、6体。足音ととも混じる駆動音を聞き取って、舌を打つ。この子を守りながら勝てるか?息を大きく吸い込んで、肺まで酸素を行き渡らせる。勝ち負けではない。生きるか死ぬかだ。限界まで空気を吸い込んだ状態で息を止める。腕に抱えていた少女を地にそっと下す。敵が近づいてきて、その手が武器にかかった。
     
     一閃。鋭く吐き出した空気と共に敵の体を切り落とす。まずは1体。敵すべてを視野に入れた状態で一度刀を納める。その様子を見て、敵が銃の引き金を引いた。遅い。その速度であれば引き金を引いてからでも間に合う。銃を撃った敵を袈裟懸けに斬り、もう一人隣にいた敵の首を落とした。近寄ってきた近接型の敵を一度鞘で殴りつけてから切り捨てる。怯むように一歩後ずさった敵を更に大きな一歩で追いすがり喉を突けば、敵は沈黙した。
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