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    わかめごはん

    @wakame_wjoy

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    わかめごはん

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    お題「残業」マクダノさんはデキてますが、チンとジェリーしか出てきません(笑)

    #H50
    #マクダノ
    mcdano.
    #ステダノ
    stedano
    #まくだのワンドロとワンライ
    madasWandoroAndWanlai

    残業本部の地下、薄暗い部屋に掛けられた薄型テレビには、ハワイの真っ青な空と弾ける波、ダブルレインボーが次々と映し出されていた。チカチカと輝く原色の画面が眩しくて、チンはそこから目を逸らすと盤面を睨む。
    「自分の番だって忘れちゃった?」
    「忘れてないよ」
    もじゃもじゃの髭面を一瞥して、さっとコマを動かした。ナイトを右へ。
    「うん、そうくるか。じゃあ」
    すかさずルークでナイトを取られ、チンは腕組みをして呻いた。
    「……やるねぇ」
    「まぁ、前から得意だしね。チンは弱くなった?」
    「なんだって? 俺だってまだそんなに鈍ってないぞ。これでどうだ」
    クイーンで睨みをきかせながら、ポーンを前へ。
    「だめだめ、そんな様子見の手じゃ。これでチェック」
    そう言いながらジェリーがビショップを大胆に動かして、延長線上にキングを捉えた。
    「おいおい、性急すぎないか?……あれ」
    「わかった?」
    「うわ……ここのポーン動かしても3手先で詰まるし、こっちのルークをここに持ってきても2手で詰まる……」
    「悪あがきは無駄だよ」
    「なんてこった。こんなに早く負けるなんて」
    「すぐ負けを認められるのは上手い証拠だよ。スティーヴなんてこの前、どうやったってもう負けなのに諦めなくて。最後にはキングを俺の駒で囲んでた」
    「目に浮かぶよ」
    笑い合っていると、チンのモバイルが鳴った。にやりと笑ってジェリーに画面を見せつける。スティーヴと書かれた表示にジェリーも笑った。
    「チンだ。……あぁ、すぐ行けるよ、本部にいるから。君たちこそ本部で残業してたの? ……あぁ、俺はジェリーのとこ。……え? ふぅん、いいよ。じゃ、後で」
    「なんて?」
    チンが眉をひそめながらもニヤニヤと笑っているので、ジェリーが思わず聞くとチンが笑いながら答えた。
    「事件があったらしくて、本部に来てくれって言われたんだけど。地下にいるって言ったら、すぐ来なくていい、10分後に来てくれって」
    「それって……」
    勘の悪いジェリーでも、あの二人が最近付き合い出したことは知っていた。なにせ、あのルーが気付くくらいだ。特にダニーが人前でのスキンシップを過剰に避けるようになっていて、逆に見ているこっちが恥ずかしいくらいだった。
    それでも愛し合っているであろう二人が、こんな遅くにオフィスで二人きりで残業していて、しかもすぐ上がって来るな、とは。
    ジェリーも困ったように笑った。
    「どんな残業だったんだか」
    「すぐに行くのは野暮だよなぁ」
    「じゃ、もうひと勝負できるんじゃない?」
    ジェリーが嬉しそうに駒を並べ始める。
    「そうだね。今度は勝つよ」
    「どうだか!」
    笑顔の二人を見守るように、モニターに映ったサーフガールが満面の笑みを称えていた。
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    わかめごはん

    DONEお題「お前に言ってなかったことがある」
    中の人のイメージから、勝手に歌が上手なダニーさんのお話。
    金曜の夜、二人の酔いも深まったマクギャレット邸で、なんとなく見ていた退屈なアクション映画は、エンドテロップが流れるばかりになっていた。カウチに沈んだダニーは、自分の隣に陣取るスティーヴを見る。その腕はカウチの背もたれの上に伸ばされていて、ダニーの肩には落ちてきていない。
    「なぁ」
    「ん? そろそろ寝るか? 泊まるだろ」
    カウチに寝るダニーのためにブランケットを取ろうと、立ち上がったスティーヴの手をダニーが掴んだ。
    「ギター」
    「なに?」
    「俺がやったギター。持ってこいよ。演奏会しよう」
    「え……今から?」
    「あぁ。嫌とは言わせないぞ、俺がやったんだからな。弾いてるか? あれ」
    「あ、いや……うん。実は、たまに」
    「一人で?」
    「だって、聞かせるやつもいないし」
    「ここにいるだろ。早く持ってこい」
    スティーヴはわずかに逡巡しながらも、二階の自室からギターケースを持って降りてきた。
    テーブルに置いて、観念したように勢いよく蓋を開ける。手にすると、わずかなチューニングで良い音が鳴った。まめに弾いているようだ。
    「何が弾ける?」
    「メジャーな曲なら。コード鳴らすだけでよければ」
    「そうだな。… 1168

    わかめごはん

    MOURNINGお題は「いいか、よく聞け」
    なんともしっくり来てないけど投げちゃう
    地下の取調室で、スティーヴ、ダニー、そしてルーの三人が喋らない容疑者を前にして立っていた。しかしルー以外の二人は、入室するなり出入口の両脇に腕組みをして立ち、一言も口を開いてはいない。その異様な威圧感に、容疑者の男も額に汗を浮かべ始めていた。
    「おい、仲間の居場所をしゃべる気はないのか」
    「……」
    無言を貫く男に、ルーが顔を近づけた。
    「いいか、よく聞け。お前さんだってハワイの犯罪者の端くれなら、FIVE-0のスティーヴ・マクギャレットとダニー・ウィリアムズの話くらい聞いたことがあるだろう。あいつらがその二人だ」
    男の視線がルーの背後を行き来する。スティーヴとダニーは微動だにせず、冷たい視線で見下ろすばかりだ。
    「しかもあんた、最高にツイてない。今日はあいつら最高に機嫌が悪いんだ。こんなのはあれ以来かな……スティーヴが参考人の腕を折った時か、ダニーが犯人に喋らせるまでボコボコに殴り続けたときか。あんたがこのまま喋らなかったら、俺も二人を止められるかどうかわからんぞ」
    声を潜めてルーが囁けば、男の喉仏が上下した。
    刑務所へ行った者や同業者たちから、FIVE-0の噂は聞いていた。てっきり尾 1186

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    わかめごはん

    DONEサガミさんの素敵なイラストをイメージして書きました!台詞ちょこっとだけ変えてしまってごめんなさい💦そして耽美なサガミさんの世界観を目指したけど無理でした……😇それは身代金目的の誘拐かと思われた。
    資産家の妻が姿を消して、夫の通報によって発覚したそれは、FIVE-0が調べるうちに狂言とわかった。夫は何も知らず、妻は愛人と共謀していた。誘拐されたはずが、ホテルのスイートにいるところを発見し踏み込んだところだ。
    「ふぅ、終わったな」
    HPDの警官たちに妻と愛人を引き渡し、ダニーは銃もベストも脱いだ軽装でスイートルームの椅子にどっかりと腰掛けた。一日中お騒がせ妻の居所を探していたのだ。ここは現場であるとはいえ、多少は許されるだろう。スティーヴもとやかく言わずに近くのソファへと腰掛けた。
    「みんなは帰らせた。俺たちも行こう」
    そう言ったが立ち上がらないダニーを、スティーヴが首をかしげて見遣る。ダニーは窓の外の夕日を眺めながら言った。
    「愛なんて、ろくなもんじゃないな」
    「なんだよ急に」
    「愛してるって思って結婚しても、喧嘩したり離婚したり。極めつけは誘拐の狂言までされて金を搾り取られるんだ。恐ろしい」
    「こんな特殊なケースで愛を否定するなよ。普通は素晴らしいものだろ?」
    「俺は怖いよ」
    ぽつりと呟いてから、ダニーはスティーヴへ目を向けた。
    「なぁ…… 776