ひとつやねのした目覚めると、もう随分と見慣れた顔を近距離で確認する。
「おはよう、青木」
この声も随分聞き慣れた、、ちょっと低めの声。
「お、はよう……」
比べてこっちは、男としては高めの声…だと思う。自分にはよく分からない。だけど、決して耳障りの悪い声でないことは、向かい合わせの顔がほころんでいる事でよく分かる。
「どうかしたか?」
ひとつ屋根の下で寝て起きて一日目。
昨日は整理した段ボールの片付けやら生活に不可欠な物の手続きの最終確認やら…とにもかくにも慌ただしくて、やっと落ち着いた頃には2人ともヘロヘロで、ベッドに入るなりどちらもすぐに寝入ってしまった。
何なら数日前から引っ越しの慌ただしさで撫での回数も減っていて、ちょっと不満が沸々していたりする…。
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