私の宝物 「きゃあっ!?」
手からガラガラと崩れるように壊れていくバレッタに思わず小さくない悲鳴が上がった。悲鳴を上げた後、壊れてしまったことが理解でき私の瞳から自然と涙が溢れて止まらない。
「ティファリア!?おい、どうした、一体何がーー…」
遅れて私の声を聞いて駆けつけたザフォラがやってくる。涙はまだ止まらず涙を浮かべたまま私はザフォラの顔を見上げた。
「何泣いて…おい、一体何が…」
そう言いかけて私の手のひらにあるバレッタを見て小さく驚きの声を上げる。
「お前、それ…」
「…ザフォラにもらったバレッタ、壊れちゃったの…ごめん、ごめんね…」
「…泣くな。それによく持ったほうだろ、それもう長いこと使ってただろ」
そう言ってザフォラの指先が私の涙を拭った。
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