ザフォラ様の良きお人 ザフォラ様は自分に厳しく他人にもまた厳しい人だ。けれどその中に愛情が籠っていることを長年仕えていると分かることがある。クルトラ再興のために頑張っておられ、そして迷宮守就任の日が近づいたある日ふらっと出ていかれそして一人の少女を連れザフォラ様は帰ってきた。それはもう、私たちはそんな話の一つも出なかったザフォラ様には心に決めた人がいたんだと思った時の喜びと言ったら、今でも言葉で表すことはできないだろう。
「ザフォラ様、その方は…!」
「あーー……こいつは、」
そう言って恥ずかしそうに視線を外すザフォラ様。そう言った癖は全く変わっておらずにやけてしまいながらもザフォラ様の言葉を一生懸命待つ。
「だから…その、アレだ……ええっと、」
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