盆休みの過ごし方「じゃあ、気をつけて行ってきてね」
『おう、一六日には帰るからよ』
八月一三日、盆の入の日。KKは田舎の祖父に会いに行くといって数日暁人の体から抜け出すことになった。繋がりが切れることに不安を覚えた暁人だったが、一度繋がれば戻ることは容易いというKKの言葉を信じて送り出すことにした。それに、KKと入れ違いに両親と麻里があの世から帰ってくる。お互い家族水入らず過ごすのも悪くは無いだろう。
KKが暁人の身体からすっと抜けていき、人魂の形となる。抜ける感覚にやはり少し不安を覚えながらも、それを安心させるようにKKはふよふよと暁人の周りを浮遊する。
『そんな不安そうな顔すんな、ちゃんと帰ってくるからよ』
「…うん、待ってる。行ってらっしゃいKK」
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